「自分のイメージどおりの配当金がもらえるのか」「貴重なNISAの枠を使っていいのか」と心配になりますよね。
このような疑問を解決するためにこちらの記事を作成しました。
- 高配当株投資が「やめとけ」と言われる理由
- 「やめとけ」に対する反対意見
- NISAで高配当株投資はおすすめか
- NISAで高配当株投資する場合の注意点
これらのことをまるっと解説してあります。
初めに結論からいきましょう。
NISAで高配当株投資はやめとくべきか……
- 資産を増やす目的には効率が悪いが否定はしない(ただぼくはやらない)
- 投資初心者ならインデックス投資のほうが始めやすくおすすめ
- 米国の株やETFを買うつもりならNISA以外で運用したほうがいいかも
本文ではNISA1年目で13%超の含み益を出したファイナンシャルプランナーの筆者が、上記のことをシンプルに解説。
配当金を使って……
- 日々の生活費から解放されたい
- 働かない生活を手にしたい
- 月に1度は贅沢な外食やゲームへの課金をしたい
- もっと快適な移動手段をとりたい
といった目的があるけど一歩を踏み出せていない人にとって、失敗しないための情報となっています。
ぜひ気になる箇所だけでもご確認くださいませ。
高配当株投資がやめとけと言われる理由

配当金生活と聞くと夢があってステキです。
しかしネット上では「高配当株投資なんてやめとけ」という口コミも一定数で存在。
確かに。そこで高配当株投資を投資の選択肢から外してしまうっていうケースも投資初心者なら珍しくありません。
ですので高配当株投資がやめとけ、といわれる理由についてなるべく専門用語を使わずシンプルに解説します。
- 投資したあとに配当金や銘柄の価値が減少する可能性がある
- 思っているほど配当金はもらえない
- 資産を増やす目的ならインデックス投資のほうが良い
- リスクを分散するための労力が大きい
投資したあとに配当金や銘柄の価値が減少する可能性がある
自分が選んだ高配当株の銘柄が、投資したあとに業績悪化や市場の暴落に巻き込まれたりすると……
①株が売られて株価が下がる
②株主に還元する配当金の量を減らす
といったことが起こり得ます。減配どころか配当ゼロ(無配)だって無きにしもあらずです。
もちろんそんな事態になりづらい銘柄を選んで買うと思います。
しかし市場の正確な未来予測は誰にもできません。
厳選した高配当株の銘柄が……
「もし、どんどん配当金下がったらどうしよう」
「もし、倒産して株の価値がなくなったらどうしよう」
といった不安から、投資初心者の中には高配当株に興味があるけど諦めて回れ右する人も少なくありません。
思っているほど配当金はもらえない
夢を壊すようで申し訳ないのですが、高配当株投資による配当金だけで生活というのは、ぼくを含め多くの人にとって非現実的。
たとえば5%の配当金がもらえる高配当株に投資したとします
※リスクちょい高いですが説明シンプルにするため
※税金もNISA運用したってことでナシ
500万円を投資した場合、年間にもらえる配当金は……
500万円 × 5% = 25万円
1ヶ月あたり 約20.800円
NISAで投資できる枠をフルに使えばもっと元本を大きくはできます。
それでも毎月サラリーマンの月収くらい配当金を安定してもらうのは、ほぼ不可能。
この事実を知らないまま高配当株投資を始めると、途中で現実に気づいて撤退する羽目になりかねません。
もちろんムダではないですけどね。勉強にもなりますし。
資産を増やす目的ならインデックス投資のほうが良い
もし資産を増やすことを目的にして投資を始めようと思っているなら、高配当株投資よりもインデックス投資のほうが効率はいいです。
インデックス投資なら……
- 配当を自動で再投資してくれる(NISAで特に有効)
- 個別の銘柄を選ぶ必要がなくすぐにでも始められる
- プロが運用してくれるので安定したリターンを得やすい
などなど、ラクに資産形成ができるメリットがたくさんあります。

リスクを分散するための労力が大きい
日本株や米国株など、配当金のある個別の株を買っていく高配当株投資にはリスク分散効果が弱い欠点があります。
1つの銘柄だけに500万円投資したら……
- その株の価値が半分になったら250万円損をする
10の銘柄に50万円ずつ投資したら……
- 1つの株の価値が半分になっても25万円の損ですむ
このようにたくさんの銘柄を持つことで、資産が減るリスクを分散することが投資では重要です。
高配当株投資をする場合、どんなに優秀な銘柄があっても固執は厳禁。
より安定した配当金をもらい続けるためには、いろいろな業界の株を織り交ぜていかなければなりません。
- 金融業
- 不動産業
- 食料品業
- 水産・農林業
- 小売業
etc…
高配当株投資はやめとけに対するぼくなりの反論

いきなりネガティブな内容からだったので、テンションが下がってしまったかもしれません。
そこで次の項目では、高配当株投資に対するぼくのポジティブな意見を述べたいと思います。
- 配当金(不労所得)がもらえる!
- 株価の変動をあまり気にする必要がない
- どの程度配当金がもらえるか予測できる
- 投資したあとに配当金や銘柄の価値が増える可能性がある
- 投資継続力、収入アップに貢献しやすい
配当金(不労所得)がもらえる!
これですよね、高配当株投資をやる最大の魅力といったら。
配当金は完全な不労所得。寝ている間や遊んでいる間にもお金がもらえる素晴らしいシステムです。
「高配当株投資はやめとめ」の項目で現実的にもらえる配当金は月に数万円という話をしました。
しかしその数万円は、あなたの生活を大きく変える可能性を秘めています。
- 水道光熱費や家賃の支払いにあてる
- スマホの通信費にあてる
- ちょっと贅沢な外食をする
- 友達や彼女との交際費に使う
- アプリの課金に使う
- 長距離の移動でグレードの高い席を予約する
などなど……
地味に家計を苦しめていた固定費から解放されたり、今の収入で我慢していた「ちょっとした贅沢」をしたりできます。
株価の変動をあまり気にする必要がない
高配当株投資のメインテーマはあくまで「配当金」
ですので短期間での株価の上がり下がりを気にする必要はありません。
ちゃんと長期的に株価が上がりそうな優良な銘柄を選んでおけば、日々の株価を逐一チェックしなくても安心して暮らせます
長期的に見て株価が上ってくれたら万々歳です。
他方、NISAの成長投資枠を株の売買益で儲けることに使おうとすると……
- 株価の上がり下がりをずっとチェックしなければならない
- 売ったり買ったりの手間をかけなければならない
- 損失が出たとき「投資なんてムリだったんだ」と挫折しかねない
ので、投資に慣れていない人や忙しいサラリーマンにとっては負担が大きいです。
どの程度配当金がもらえるか予測できる
配当金がいくらもらえるかは、株価がどれくらい伸びるかより予測しやすいです。
理由……
企業が今後の「配当予想(いくら配当金を出す予定か)」を発表しているから
あくまで予想なので確実な配当を約束するものではありません。まさかの事態で減配もあり得ます。
しかし株の儲けでリターンを狙うより精度の高い将来予測はできます。
投資したあとに配当金や銘柄の価値が増える可能性がある
投資した銘柄の配当金や株価が下がる可能性のことを「やめとけ」の項目で説明しました。
ですがもちろん上がっていくことだってあります。
こんなケースで増配・株価上昇しやすい
- 成長企業の株を割安なときに購入する
- 買ったあとに市場が好調になる
配当が増えれば当然もらえるキャッシュ(現金)が増えます。
株価が上がれば資産の増加になりますし、売りたくなったら売却益だって狙えますね。
投資継続力、収入アップに貢献しやすい
ここまでの総括みたいな内容になりますが、高配当株投資は投資を継続することや収入アップのモチベーションを上げてくれます。
高配当株でもらえる配当金。
これはとても分かりやすいかたちの「ご褒美」だとぼくは思っています。
このご褒美のおかげで……
- もっと配当金増やしたい! と投資をがんばりたくなる
- もっと投資に回せる資金力を上げたい! と収入アップの努力をする
よく比較対象にされるインデックス投資だと配当金がないのが普通。
ですのでこのようなモチベーションアップは、ある意味高配当株投資ならではの特長と言えるでしょう。
高配当ETFもやめたほうがいい?

高配当株投資というと個別株というイメージが強いですよね。
ですがETFからの分配金でも、同様のインカムゲイン(継続的にもらえる利益)が狙えます。
ETFとは……
めちゃくちゃシンプルに言うと、個別の株の詰め合わせパック
中身の銘柄はプロが選定してくれるので投資初心者でも始めやすい
ちなみにETFでは「配当金」ではなく「分配金」という名前で株主に利益が支払われます。
- 配当金は企業の出した利益から支払われる
- 分配金はETFの資産から支払われる
だからなんだ? って思いますよね。
補足するとややこしい説明に入っちゃうのでひとまず省略します。
ETFの分配金で高配当株投資みたいなことをするのであれば……
- 米国のETFなら悪くない
- 日本のETFなら個別株のほうがいいのでおすすめしない
といった感じ。
米国のETFは上手に活用すれば高配当株投資に利用するのはアリかな、と考えます。
日本のETFがあんまり魅力的に感じない理由……
- 景気が悪くなるとETFの成績も連動して落ち込みやすい
- ETFを構成する銘柄が景気の良し悪しで左右されやすいものが多め
- 商品保有中のコストがちょっと高い気がする
日本の企業であれば情報が収集しやすいので、米国よりは個別株に取り組む難易度は低め。
ですので日本株はETFではなく個別株に投資した方が、安定したリターンと高い配当金を狙いやすいです。
あとETFは保有しているとコストがかかります。運用するためのコストですね。
米国のETFも同様のコストはかかりますが日本よりは割安です。
それと個別の株であれば、保有中のコストはゼロ。
ちなみに米国ETFの場合、NISAで運用するのであればやっぱりおすすめしません(理由は口述します)
NISAで高配当株投資はおすすめ?

NISAの枠で高配当株を買う、このようなプランを考えていた人は多いのではないでしょうか。
かくいうぼくも新しいNISAが始まる直前「NISA 配当金生活」でググったりETFのことを調べたりしていたものです。
いろいろと検討した結果、NISAで高配当株投資は……
ぼくならやらない(でも投資目的によっては否定しない)
という結論に落ち着きました。その理由は……
- NISAでは資産形成のためにインデックス投資が良い
- 月3万円の配当金のために10年捧げられない
- インデックス投資より覚えることが多い
- NISAでは外国税額控除を受けられない
個人の主観を含んだ内容です。これが絶対解でないことはご承知おきくださいね。
NISAでは資産形成のためにインデックス投資が良い
最初の「やめとけ」の項目でも説明しましたが、高配当株投資は資産形成をするには効率の悪い投資です。
NISAの場合は投資元本として入れられる枠が1800万円(非課税保有限度額)と決まっています。
もし資産形成目的であれば下記のようなパターンが考えられます……
- NISAの枠を使って高配当株を買う
- 高配当株から配当金をもらう
- 支出に充てる必要がなさそうなので再投資する
- 再投資した資金の分、非課税保有限度額の枠を使ってしまう
インデックス投資と比較すると分かりやすいのですが……
- 高配当株投資 → 配当金や分配金は手動で再投資(非課税保有限度額の使用あり)
- インデックス投資 → 分配金は自動で再投資(非課税保有限度額の使用なし)
高配当株投資でもらったお金を再投資すると、NISAの枠を使ってしまうため資産形成上とても非効率的です。
対するインデックス投資は、限られた1800万円の枠を消費することなく投資資産をどんどん膨らませていくことが可能。
ですので投資先から出た儲けでさらに投資をすることを想定しているなら、NISAではインデックス投資をおすすめします。
月3万円の配当金のために10年捧げられない
これはモロにぼくの主観的な意見ですが、十分な配当金をもらうための労力が大きすぎるなと感じています。
月3万円の配当金をもらうためには……
- 毎年3%の配当がもらえる場合、1200万円の元本が必要
- 毎年4%の配当がもらえる場合、900万円の元本が必要
毎月10万円ずつ元本を膨らませていたとしても、配当3%の場合で10年の年月がかかる計算です。
もちろんこの時間や労力が「3万円の不労所得の価値に見合う」と考えられる人は、高配当株投資をNISAでやるのもいいでしょう。
ただぼくは資産形成を主目的にNISAの枠は使いたいので、10年分の投資元本で高配当株を買うのは優先度低めです。
インデックス投資より覚えることが多い
高配当株投資はインデックス投資よりも覚えておくべき知識が多いです。
ですのでこれからNISAを始めるような投資初心者にとって……
- 失敗するリスクがインデックス投資より高め
- 投資のスタートが遅れる
などのデメリットがつきまといます。
座学はもちろん大切ですが、投資の市場に参加することで学べることも多いです。
この学びが高配当株投資の成功に貢献することだってあるかもしれませんよね。
ですので、失敗リスクの低いインデックス投資で早めにNISAの運用を開始すること。
こちらの選択をしたほうが投資初心者にとってはメリットが大きく始めやすいなと、ぼくは考えます。
NISAでは外国税額控除を受けられない
ですよね、ぼくも嫌いです。
ということでこれまで以上にライトに説明します。
株式のリターンにかかる税金は主に2種類……
- 国内でかかる税金(20.315%)
- 国外でかかる税金(10%)
外国の株式投資で出た儲けには②の10%の税金が①に上乗せでかかってしまうんです(2重課税といいます)
それを防ぐための方法が「外国税額控除」
確定申告(毎年2~3月くらいに話題になるアレ)で外国税額控除を申請することで、国外でかかる税金(10%分)を減らしてもらえる
っていうお得な制度が、NISAだと使えないというわけです。
せっかくの非課税制度なのに、ちょっともったいない気がしますよね。
ですのでアメリカの個別株やETFを買いたいなら、NISA口座以外で運用したほうがいいかもしれません。
NISAで高配当株投資をする場合の注意点

このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなあなたにNISAで高配当株投資をする際の注意点をまとめました。
- 高配当株投資のいい面ばかりをみない
- いきなり大金をつぎ込まない
- 1つの銘柄に固執しすぎない
- 売れ筋や人気ランキングを当てにしない
- 投資スタート後も継続した学習が必要
高配当株投資のいい面ばかりをみない
高配当株投資は配当金がもらえる素晴らしい投資ですが、ここまでに紹介した負の側面を見て見ぬふりしてはいけません。
- 配当金や株価が下がるかもしれない
- 大儲けをするための投資ではない
- 配当金だけで生活するのは難しい
- NISAを使っても税金が発生するケースがある
などなど……
これらのマイナスと配当金がもらえるプラスを天秤にかけることはとても重要。
投資初心者向きのインデックス投資に目を向けたり、投資自体をやめて収入アップに尽力するなど道はさまざまですよ。
いきなり大金をつぎ込まない
高配当株投資を始めてすぐに手元の資金を大量に投資する人がいますが、あまり良い行動ではありません。
再三言っているとおり投資にはリスクがあります。
自分がどこまでの損失を受け入れられるのか、そのリスク許容度も考慮しなければなりません。
最初は慎重すぎるくらい慎重でもちょうどいいです。
損失が出たとしても「これもいい勉強」と納得できるくらいの小額から高配当株投資を始めることをおすすめします。
1つの銘柄に固執しすぎない
どんなに優良な銘柄を見つけたとしても、どんなに思い入れのある銘柄だとしても、それに固執するのはNG。
株式投資において、リスク分散は基本中の基本です。
- 株の価値が下がるリスク
- 配当金が減る(もしくは無配になる)リスク
幅広い銘柄に少しずつ分散して投資することで、上記のようなリスクを緩和することができます。
もしそれを「面倒だな」と感じる人はNISAは別の投資用に使うべきでしょう。
もしくは分散投資を考慮する手間が少ないETFを検討してみてもいいかもしれません(ただし税金の取り扱いには注意)
売れ筋や人気ランキングを当てにしない
高配当株投資で銘柄を選ぶのがめんどくさい、と感じると「NISA買付ランキング」みたいなものに頼りがち。
新NISAナビの銘柄ランキング(成長投資枠)がNISA界隈では有名なランキングの1つ。
こういったランキング上位の銘柄は「今現在注文が集まっている銘柄」つまり……
すでに評価額が割高になっている可能性が高い
またみんなが知っているような有名企業の株ばかりというのも気になります。
ラクして配当金生活を手に入れるつもりなら、思ったような成果とならず挫折するかもしれません。
上記のことから、売れ筋や人気のランキングで投資する高配当株を選ばないようにしましょう。
投資スタート後も継続した学習が必要
配当金をどんどん増やしていきたいと思うのであれば、継続した学習も必須です。
- 優良な銘柄のリサーチ
- 割安タイミングで買うための市場チェック
- 買った銘柄のリターンは予想どおりだったか確認
こういった学習に時間を割くことが高配当株投資には求められます。
また必須ではありませんが簿記の学習もおすすめです。
数字に対する抵抗感が少なくなるなど、企業の財務状況を調べるときに役立ちます。
NISAで高配当株投資はやめとくべきか|まとめ
ここまで血沸き肉躍る駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後にあらためてタイトルの結論です。
NISAで高配当株投資はやめとくべきか……
- 資産を増やす目的には効率が悪いが否定はしない(ただぼくはやらない)
- 投資初心者ならインデックス投資のほうが始めやすくおすすめ
- 米国の株やETFを買うつもりならNISA以外で運用したほうがいいかも
高配当株投資は万人におすすめの投資ではありません。
しかし配当金として日々使えるお金が増えることはとても魅力的。
そのために貴重なNISAの非課税枠を使うべきかどうか、自分の投資目的と相談して決めてください。
それではまた!
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そんな方向けに、moomoo証券の良い点・悪い点、正直な評判などをこちらの記事にまとめました。
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