話題の「FIRE」が年収300万円でも可能と言われても、「ホントにそれって現実的?」と感じてしまいますよね。
※初めに言っておくと、「年収300万円FIRE」を酷評する内容ではありません。
(むしろ一読の価値ありと評価しているので、気になっている人はぜひ手に取っていただきたいです)
- 年収300万円が7年で贅沢な生活を手にすることはできない
- 年収300万円の人が目指すのは、働き方の可能性が増える「サイドFIRE」
- 副業が紹介されているが、稼ぐ目標がちょっと厳しめな気がする
- 米国市場への投資について情報量が厚め
FIRE、つまり経済的な早期リタイアが気になっている人も多いはず。
「年収300万円FIRE」の内容は、その実現に貢献すると感じました。
ただFIREに対する誤認識があると、本書の満足度は低くなってしまうでしょう。
そうならないための予備知識として、こちらの記事の内容をご利用いただけたら幸いです。
年収300万円FIREの書籍に負けないくらい読みやすさを意識したので、さくっと眺めていってくださいね。
FIRE=働かない暮らしであれば、7年で達成は現実的に不可能
「年収300万円 FIRE」というタイトルを見ると、かなり夢のある想像をしてしまいます。
「え、節約とかがんばれば、7年で働かなくても生活できるようになれちゃうの⁉」
ただ本書のサブタイトルをしっかり読んでみてください。そこにはこう書いてあります。
貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」
ご覧のとおり「セミリタイア」という文字が記載されています。
セミリタイアはご存じのとおり、完全なリタイアではありません。
つまり本書で貯金なし+年収300万円の人が目指すのは、仕事をしない暮らしという意味のFIREではなく……
資産収入+労働収入で生活する「サイドFIRE」
です。
そこに関しては御幣があります。
サイドFIREを達成させることで……
- サラリーマンとして働く日数を減らすことができる
- 今よりもラクな仕事に転職しても生活が成り立つ
といったことを実現できます。
サイドFIRE達成前は……
- 生活のために毎日毎日シンドイ仕事をやり続けなくちゃいけない
サイドFIRE達成後は……
- 働き方の自由度が大きく広がる
サイドFIREにはこのような魅力があります。
以前ぼくは年収300万円の弱者男性について記事を書きました。
ですが少ない時間で最低限の労働をしながら、自分の時間も楽しんでいる年収300万円の人もいます。
そういった人を、果たして弱者男性と言っていいのでしょうか。
高年収の人でも生活のために毎日ヒイヒイ言いながら仕事をしていることもあるので、ぼくは十分勝ち組だと思いました。
ただし、年収300万円でFIREを目指すなら、多少の努力は必要となってきます。
最初に言ったとおり、年収300万円で貯金もない人が7年でFIRE(働かなくても遊んで暮らせる生活)を手に入れることは、現実的に不可能。
それでも今のサラリーマンとしての働き方に疑問を持ち、定年まで続けることを苦痛に感じるなら……
「年収300万円 FIRE」で紹介されている内容は、実践する価値ありと考えます。
サイドFIREの達成には支出を下げることが重要となる
そもそもFIREの定義がふわっとしている人もいるかと思うので念のため説明しておきます。
自分がFIRE達成するのに資産がどれくらい必要かを考えるなら、生活費の25年分で計算するといいでしょう。
FIREに必要な資産を考えると、年収300万円×7年でFIREは物理的に不可能だということが分かりますよね。
それよりここで言いたいのは、月々の生活費が下がれば、FIREに必要な資産も少なくなるということ。
生活費が月20万円の場合……
- FIREに必要な資産は20(万円)×12(ヶ月)×25(年)=6000万円
生活費が月5万円の場合……
- FIREに必要な資産は5(万円)×12(ヶ月)×25(年)=1500万円
このように生活費の違いによって、FIREに必要な資産は数千万円単位で変わってきます。
サイドFIREについても、この原理は同じ。
そのためムダな支出を抑えることが重要であると、本書にも記載されています。
さらに言うと、ムダな支出を減らした生活費でFIREに必要な資産を計算したということは、
FIRE達成後も、ムダな支出を減らした生活が前提となる
そうしなければ、資産が減るスピードが想定よりも早くなってしまいますからね。
またFIRE達成までに無理のある支出削減をしていた場合も、生活費の維持が長続きしづらくなるでしょう。
- 夏場の気温ピーク時にもエアコンを我慢して汗だくになる
- 食事を格安食材で、かつ小食をこころがける
- ネット通販は費用がかかるから、重い水やお米もスーパーで買う
これらが負担に感じないならいいですが、FIRE達成後も続けることが辛いなら考えもの。
ですのでストレスなく継続できる範囲で、生活費をコントロールすることが重要です。
本書では、貯蓄ガチ勢になればFIRE達成に年収は関係ない、と紹介されています。
このことからも年収300万円の人がサイドFIREを達成するためには、ムダな支出の削減は必須。
逆に言えば、支出を下げて必要最小限の生活費を心がけることができるなら、FIREは現実的な話になるというわけです。
副業でいきなり月10万円の収入アップは個人的にあまり現実的に感じない
本書では、資産形成初期の2年は、副業をすることで投資元本を増やすことが紹介されています。
7年達成に必要な「2年間スタートダッシュ」
さらに本書でお勧めしたいのは、「FIREするぞ!」と決めてから最初の2年間は少し頑張って副業もして、投資に回すお金をなるべく増やすプランです。
※中略
そこで、投資をはじめた最初の2年間は年収300万円。月額の手取り約20万円からの10万円に加えて、副業で月10万円を稼いで、合計20万円を毎月、米国株インデックスファンドにつぎ込むのです。※引用:書籍 年収300万円FIRE より
本業の月収だけでは投資元本を育てるのに時間がかかるから、副業で稼いだお金も投資に回すという話ですね。
で、必要な副業の稼ぎとしては10万円とのこと。
10万円……。ぼくの考えが正しければ、本業の稼ぎの半分です。
副業を経験してきた経験上……
はっきり言って、素人がいきなり月10万円を稼ぐのは現実的ではない
ちなみにぼくはWebライターを副業で選んだのですが、1ヶ月で5万円稼ぐまでに1年かかりました。
(しかも実際は、クラウドソーシングサイトに手数料で中抜きされ、手取りとしては4万円弱でした)
- ライティングスキル
- 動画編集スキル
- 翻訳スキル
- プログラミングスキル
などがすでに備わっている人なら、10万円以上の副業収入を得ることは難しくないでしょう。
しかしスキル0から副業をやろうとすると、月10万円の成果報酬を得るまでに、かなり時間はかかります。
2年以上の歳月を要することも珍しくありません。
「じゃあ副業で投資元本を増やす、っていう戦略はやる必要ないってことかー」
こういう意見が聞こえた気がしたので、断っておきますと……
月10万円稼ぐのは現実的じゃないとは思うけど、年収300万円でFIREに興味があるなら、副業はやった方がいい
副業からの収入が月1万円どまりだったとしても、年間で12万円。
もしそれを10年続ければ、120万円も稼ぐことができます。
副業をやらなければ、追加収入は0。
FIRE達成までにかかる時間を短縮することはできず、労働にしばられる期間は長くなってしまいます。
それを避けたい人はもちろんのこと……
- 自分の得意なことや好きなことで稼ぎたい
- 自分の得意なことを見つけたい(身に付けたい)
こういった意欲が少しでもある人は、年収300万円という境遇から離脱するきっかけにもなり得ます。
本書でもブログやYouTube、TikTokなどのSNSなどインターネットビジネスが副業として紹介されています。
(副業でいきなり10万稼ぐのが難しいコンテンツばかりの気がしますが、さておき)小さいコストで始められる点でおすすめと言えるでしょう。
FIREを早めに達成したい人や年収300万円にコンプレックスを感じている人は、ぜひ副業にチャレンジしてみてください。
NISAの情報がちょっと古いのが気になるが、新しいNISAでも活用できる情報が多い
本書の第1章は、いきなり投資に関するタイトルから始まっています。
「投資をやらないことが、いかに分が悪い選択か」ということが著者の特に伝えたい内容なのだと思いました。
投資の話が出るということは、このブログでも紹介しているお得な制度「NISA」についても、当然のように登場します。
ただ本書の初版発行は2022年の2月。
新NISAが始まる約2年前のこと。ですので……
新NISAについては、ちょっと情報が古いように感じる
新NISAの制度概要については、最新の情報を確認したほうがいいかもしれませんね。
(ただ最近重版されたものは最新情報になっているかも)
NISA制度の説明だけでなく、具体的な投資商品についても触れられています。
また著者は、米国市場への投資を推しています。
その理由についても、米国の金融・経済政策の観点などから理詰めでがっつり解説されております。
- これから米国への投資を始める予定の人
- 今現在米国を対象にした投資商品を買っている人
にとって、米国を投資対象に選ぶ(選んだ)ことへの地固めとなる情報です。
もちろん新NISAにも活かせる情報です。
他にもインデックス投資の基礎的な話も紹介されているので、投資の入門書としてもかなり優秀だと思います。
結論:年収300万が7年でFIRE(働かない生活)は現実的じゃないが、今より自由な生活を手に入れたいなら読むべき一冊
ここまで超常現象レベルの駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に今回の重要ポイントをざっくりプレイバック。
書籍「年収300万FIRE」で紹介されているFIREは……
- 仕事をやめて贅沢な生活をするFIRE(Fat FIRE)ではなく
- 資産収入と労働収入で生活するFIRE(サイドFIRE)
そのためFIRE達成後も質素な生活をすることになるため、正直夢はない
しかし年収300万円で……
- 資産がないことに悩んでいる人
- 生活のためにやむなく労働している人
- 今より自由な時間を手にしたい人
にとって、活路を見出すきっかけとなる一冊です
巷でよく聞くFIREの話から、理想が高かった人は夢を打ち砕かれる内容かもしれません。
しかし今の生活を変えたいと思っているのに、何から始めたらいいか分からずにいた人なら新しい発見があるはず。
特に投資をまだ始めていない人は、本屋さんで立ち読みでもいいので1章の内容には目を通していただきたいです。
それではまた!
証券口座は投資をするためだけのものではありません。
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