隠れコストのことを理解したいけど難しい説明なんて聞きたくない、と考えるのはぼくだけじゃありませんよね。
- 隠れコストは、投資信託の保有中にかかる表に出ない費用
- 隠れコストはチェックした方がいいが投資初心者は後回しでもいいと思う
- 隠れコストは投資信託の運用報告書から確認できる
投資信託にかかる隠れコストがどんなものか、専門用語は最小限に分かりやすく解説します。
また隠れコストの確認方法から見方まで画像付きでシンプルに紹介。
記事後半ではぼくが考える隠れコストの合格点についても触れているので、ぜひ最後まで眺めていってくださいね。
投資信託の隠れコストとは? 初心者向けに分かりやすく解説
投資信託における隠れコストとは、単刀直入に言うと……
表には出てこない、投資信託の運用にかかった隠れた費用
のことです。
もう少し説明しますね。
投資信託は、保有中に「信託報酬」というコストが発生します。
信託報酬は、運用会社に資産の運用を任せていることで支払う、管理費用みたいなものです。
で、この信託報酬が、いわゆる表に出ている運用コスト。
※出典:SBI・V・S&P500インデックス・ファンド目論見書より
商品の目論見書や運用会社のホームページ、証券会社の商品ページなどで信託報酬は確認できます。
その信託報酬とは別に、実際の運用中にかかってくるのが隠れコストです。
たとえば隣町まで買い物に行くとして、交通手段はいろいろありますよね。
- 徒歩
- 自転車
- タクシー
- 電車やバスなど交通機関
天気が良ければ徒歩で、時間がなければ自転車を使うこともあるでしょう。
しかし天候が悪かったり急いで用事を済ませたい場合は、公共交通機関や、場合によってはタクシーを使うかもしれません。
といった感じの選択が運用中に発生するため、隠れコストは定まらない費用となるわけです。
特に誕生したばかりで運用実績がないファンドは……
隠れコストがどれくらいかかるのか、投資家からは確認ができないため、
信託報酬が安い=低コストファンド! とならない可能性もある
初心者も投資信託の隠れコストまで必ずチェックするべき?
あくまでぼく個人の意見ではありますが……
投資初心者は投資信託の隠れコストまで確認して商品選びをする必要はない
と思っています。
ただし、長期投資と相性の良い王道のインデックスファンドを選ぶことが前提とはなります。
買付ランキングやつみたて設定ランキングなどで上位に入っている商品なら、隠れコストは平均以下のことはほとんど。
また運用期間によって隠れコストにバラつきもあるため、比較材料に利用しづらいと感じると思います。
あと元も子もないことを言うと、0.何%の隠れコストに時間を割くのがもったいない!
隠れコストは、もちろん事前チェックするに越したことはありません。
しかしそれで投資のスタートが遅れるくらいなら、ぼくは隠れコストのチェックは後回しでいいと思います。
隠れコストの確認方法~見方まで初心者向けに分かりやすく説明
前項で投資初心者は隠れコストのチェックまでは不要、といった話をしました。
ただ「隠れコストの存在を知らないままでOK」というのもちょっと違うかな、と思っています。
そこで隠れコストの見方について、投資初心者向けに分かりやすく説明いたします。
隠れコストは投資信託の「運用報告書」に記載されています。
試しにオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の運用報告書で、隠れコストを確認してみましょう。
隠れコスト確認までのざっくり手順……
- 商品名でググる
- 運用会社のホームページから運用報告書を探す
- 運用報告書の中から費用明細のページを探す
投資信託の商品名で検索すると、運用会社の商品ページが上位に表示されます。
オルカンだと1番上に表示されましたね。
表示された運用会社のページを少し下へスクロールすると……
※出典:三菱UFJアセットマネジメント
運用レポートという場所に運用報告書がありました。
交付用と全体版の2種類ありますが、どちらでも隠れコストは確認できるので、ページ数が少ない交付用(左)で確認。
出典:オルカン運用報告書より
4ページ目に(1万口当たりの)費用明細の内容が記載されておりました。
この表の中にある……
出典:オルカン運用報告書より
- (b)売買委託手数料
- (c)有価証券取引税
- (d)そ の 他 費 用
上記が、ここまで解説してきた隠れコストにあたるものとなります。
まとめると、投資信託の隠れコストが知りたいときは運用報告書を見よっ、ということです。
ただし先の項目でもチラッと説明しましたが、運用が開始したばかりの投資信託は運用報告書がありません。
そのため隠れコストが確認できず、信託報酬が安くてもコストが高くなる可能性を考える必要があります。
隠れコストはどれくらいだと優秀と言える?
一般論としては、隠れコストの合算した数値が0.06%以下だと、優秀と言われています。
ただこれは日本の投資信託のお話。
オルカンなど海外資産を扱った投資信託は隠れコストが大きくなる傾向があります。ですので……
ぼくは隠れコストが0.1%以下なら及第点としています
オルカンの隠れコストは0.055%だったので、運用が優秀であると評価していいでしょう。
なお上記は、指数に連動するインデックスファンドの場合の基準です。
指数以上の成績を目指すアクティブファンドは、隠れコストがより大きくなりやすい傾向があります。
平気で隠れコストが0.1%を超えてくることもあるので、インデックスファンドと同じ物差しで比較しないようにしましょう。
そもそも投資信託には隠れコスト以外にどんな費用がかかる?
せっかくなので隠れコスト以外で投資信託にかかる費用はどんなものがあるのか、さらっと紹介しておきます。
投資信託の主なコストは3種類……
- 投資信託を買うとき:購入時手数料
- 投資信託の保有中:信託報酬+隠れコスト
- 投資信託の売却時:信託財産留保額
信託財産留保額とは、ざっくり言うと「投資信託を売却するなら資産の一部を残していってもらうよ」みたいなことです。
友達と集まって野球をしていて、用事で自分だけ先に帰ることになったとき、
自分の持ってきたバッドやグローブがないと、野球ができなくなるみたいな状況を想像してみてください。
その場合に、グローブやバッドだけ置いていくのが信託財産留保の仕組みです。
「投資信託って、こんなにいろいろコストがかかるの? ……やっぱり別の商品を検討しようかなぁ」
と意気消沈することなかれ。投資信託の中には上記コストの中で……
- 投資信託を買うとき:購入時手数料
- 投資信託の売却時:信託財産留保額
この買うとき・売るときのコストがかからない商品はたくさんあります。
特にNISAのつみたて投資枠で購入できるインデックスファンドは、保有中のコストしかかからないものばかり。
現実的に資産増加が狙える商品を選ぶなら、まずはNISAのつみたて投資枠で買える商品から検討するのがいいでしょう。
(証券会社のサイトで商品検索をする際、つみたて投資枠の対象商品かで条件をつけるのがおすすめです)
【結論】隠れコストのチェックが面倒なら、王道の投資信託を検討しよう
ここまで、いとおかし駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
同じような内容の投資信託でも、隠れコストによって実質的なコストに差が生じることはあります。
ですので購入する商品を決める際は、隠れコストのチェックをしておいた方がいいのは確かでしょう。
しかしそのチェックに時間を割くことで、投資が遅れてしまいそうなら、ぼくは一旦隠れコストは無視していいと思っています。
いきなり100点の選択をするなんて難しいですし、ぶっちゃけ投資元本の少ないうちは大きな影響がありませんからね。
それではまた!
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