あとになって「こんなはずじゃなかったのに……」となるかどうか、口座開設するときには分かりませんもんね。
- 証券口座を複数保有は、意外なデメリットや注意点がある
- 投資初心者はNISA用のメイン口座だけ開設で基本OK
- 個々の資産状況や投資目的によって、3口座くらいまでなら増やしていいかも
証券口座を複数保有する上でデメリットや注意点を理解しておかないと、思わぬ落とし穴に陥る可能性があります。
逆に言うとその点を理解しておけば、複数の証券口座を上手に活用して、資産を効率的に増やすこともできるかもしれません。
記事後半ではメイン口座やサブ口座、特殊な使い方の+α口座で具体的におすすめの証券口座も紹介。
最小限の口座数で最大限の資産運用をしたい方にとって重要な情報となっているので、最後までぜひご覧ください。
証券口座を複数持つことのデメリットや注意点
証券口座は開設しようと思えば、基本的に好きなだけ開設できます。
今すぐ必要でなくても「いつか役立つかも」という気持ちも相まって、軽い気持ちで口座開設する人は多いと思います。
確かに証券口座を複数保有することには、いくつかメリットがあります。
が、それと同時に気づきづらいデメリットや注意点が存在することも覚えておかなくてはなりません。
証券口座を複数持つことのデメリットや注意点……
- 複数の証券口座を持っていてもNISA口座は1人1つまで
- 証券口座を管理する手間が大きくなる
- 株主優待は証券会社ごとにもらえる訳ではない
- 場合によっては損益通算のため確定申告する必要がある
複数の証券口座を持っていてもNISA口座は1人1つまで
証券口座を複数開設したとしても、NISA口座についてはいづれか1つの証券会社で行うことになります。
NISA口座は儲けが非課税になるというチート級の口座
(通常、株式投資で発生した利益には約20%の税金がかかる)
NISAについて詳しく知りたい方はコチラからどうぞ
このような特別な枠であるNISA口座なので、1人につき1口座までしか開設できません。
その点はご安心を。証券口座を開設しても、NISA口座の開設が自動で行われることはありません。
あとから本命の証券口座を開設するつもりなら、そちらでNISA口座を開設するようにしましょう。
誤って本命じゃない証券会社でNISA口座を開設してしまったら……
所定の手続きを行うことでNISA口座を変更できます
(詳しく知りたい方はコチラから)
証券口座を管理する手間が大きくなる
証券口座を必要以上に保有すると、管理コストが大きくなりやすいです。
証券口座を複数保有することで面倒になる管理……
- 資産の管理
- IDやパスワードの管理
証券口座ごとに資産を分割することで、どの口座にどれくらい資産があるのか把握しづらくなります。
どれくらい資産が増えているのか計算が煩雑になり、資産目標を達成するための舵取りが難しくなるかもしれません。
また証券会社ごとにログインするためのIDやパスワードを管理する必要があり、これもまた面倒。
ついでに商品をスポットで売買するときなどに入力が求められる取引パスワードも忘れてはいけません。
どのID・パスがどの証券口座のものか分からなくなりそうな人は、自分に管理できる数の証券口座を利用しましょう。
株主優待は証券会社ごとにもらえる訳ではない
株主優待を投資目的の1つとしている人は、こちらのルールについても覚えておくことをおすすめします。
株主優待の権利は……
すべての証券口座の株式保有数で算出して権利確定する
分かりづらいので例を挙げますね。
100株保有しているとリンゴ1つ、500株保有しているとメロン1つがもらえるサラりん株があったとします。
この株をあなたは……
- A証券で100株のサラりん株を保有
- B証券で200株のサラりん株を保有
していました。
この場合A・B証券で保有している株を合算した300株が、あなたの保有するサラりん株。
そこから株主優待としてもらえるの数が確定。するともらえるのはリンゴ1つとなります。
仮にもしC証券でサラりん株をさらに200株持っていたら、500株で株主優待はメロンにランクアップ。
株主優待が証券会社ごとにもらえないことを覚えておけば、無駄に証券口座を保有しなくて済みますね。
場合によっては損益通算のため確定申告する必要がある
もし複数の証券口座で取引をしている場合、損益状況によっては自分で確定申告する必要ががあります。
通常、特定口座という枠で、なおかつ「源泉徴収あり」の設定にしていれば、確定申告の必要ありません。
しかし複数の証券口座で利益と損失が発生している場合は……
「どの証券会社が税金の計算やるんだ?」という状態となるため、必然的に投資をした本人が税金の申告のため確定申告する必要がある
確定申告……やったことある人なら分かると思いますが、まあ面倒くさい作業です。
サラリーマンのメリットは、そういった煩わしい処理を会社が肩代わりしてくれること。
このメリットをつぶしたくない人は、ひとまずNISA口座だけで投資を行うことを推奨いたします。
証券口座を複数持つことのメリット
ここまで証券口座を無計画に複数持つことはデメリットになり得る、ということを説明してきました。
その一方、証券口座を複数保有することは、人によってはメリットとなることもあります。
- 買いたい商品が手に入りやすくなる
- IPOの当選率を上げることができる
- 万が一の資産損失や機会損失を防ぎやすくなる
買いたい商品が手に入りやすくなる
証券口座を複数保有していると、欲しい商品を入手しやすくなります。
NISAで運用をおすすめしているインデックスファンドなどの投資信託は……
- 証券会社によってラインナップが異なる
「こっちの証券会社にはないけど、あっちの証券会社にはある」
みたいなことが投資信託にはよくあります。
個別の株式を買っていきたい人は、1株単位で取引可能な証券会社を検討するのもいいでしょう。
IPOの当選率を上げることができる
証券口座が複数あれば、IPOに応募できる機会が増えることで当選率がアップします。
IPOってなに?……
- IPOとは企業が新しく株式市場に上場すること。上場した企業の株価はぐっと上がります
- このぐっと上がる初期タイミングで株を買い、値段が上がってから売るのがIPO投資
(IPOをもっと知りたい! という方はコチラの記事もご参照ください)
「じゃあインデックス投資よりIPOやっていたほうが儲かるじゃん!」
と思いがちなんですが、IPOには「抽選」があるので、常に割安な初期タイミングで購入できるわけではありません。
その当選率を上げるために、応募できる機会を増やすことは有効。
証券口座を保有している証券会社であれば、IPOに申し込みできます。
ただしIPOにはデメリットもあります……
- 証券口座を際限なく開設しがち
- IPOを購入するための資金を口座に事前入金が求められる
- 勝率は高いが必ず儲かるわけではない
などなど。人によっては資産目標の達成が遠ざかる可能性もあるやもしれません。
記事後半では、資金力がなくてもIPOに参加しやすい証券会社も紹介しているので、気になる人はぜひご確認をっ。
万が一の資産損失や機会損失を防ぎやすくなる
証券口座を複数持っていれば、いざというときの備えになります。
ぼくが想定しているいざというとき……
- システム障害でタイムリーな取引ができない
- 証券会社が潰れたときに資産を守れる
サラリーマンの基本投資スタイルはNISAでインデックスファンドをつみたてるのがいいと、ぼくは思っています。
ただ投資の目的によっては、値動きの大きな商品を割安タイミングで買う必要があるかもしれませんよね。
注視していた商品が割安になったのに、証券会社のトラブルで取引できなかったら……
人によっては頭を抱えて奇声を上げることになるかもしれません。
またこちらも稀なケースではありますが、利用している証券会社が倒産することの対策にもなります。
証券会社では投資家の資産を「分別管理」するルールがあり……
- 倒産するようなことがあっても、基本的には全額保証される
が、そのルールを破るなどの事情により全額保証ができない場合……
- 日本投資者保護基金という期間が、1人1000万円までは保証してくれる
万が一中の万が一っていうケースですけどね。それでも可能性は0とは言い切れません。
- 数千万単位の投資資産を1つの証券口座で運用している
- 1800万円分のNISA枠を埋めて課税口座も使い始める
将来このようなケースに行き当たったら、そこでサブの証券口座をつくるのもいいですね。
普通のサラリーマンは証券口座をいくつ持つのが妥当?
ときどき同じような質問を見かけることがあるので、この機会にお答えしておこうと思います。
普通のサラリーマンであれば、基本的には……
- 証券口座は、NISAやiDeCo用に1つあれば十分です
平均的な年収のサラリーマンであれば、投資に回せる資産はそれほど多くはならないでしょう。
それくらいの資金であれば、証券口座を複数保有して資産を分割するメリットは正直低め。
NISAやiDeCoの枠をフル活用できないなら、2つ目の証券口座をつくっても、結局使わない、なんて可能性もありますね。
もっとも項目の冒頭で説明したとおり証券口座が1つでいいのは「基本的には」という話。
- 資産が増えてきたら2つ目の証券口座を持つ
- NISA枠使い切ったら別の証券口座で投資を続ける
前述した内容と被りますが、投資を継続して上記のようなシーンとなったら、証券口座を増やすのもアリです。
それと投資の目的によっては、投資を始めた早い段階でサブの証券口座をつくっておくのも手です。
ただいずれにしても……
- 証券口座の数は、3つ以上増やさない方がいいと思います
3つの証券口座の役割内訳としては……
- NISA(やiDeCo)用のメイン口座
- メイン口座を使い倒したあとに利用するサブ口座
- 情報収集やIPO狙いの+α口座
こんな感じ。
目的別おすすめの証券口座
まずメインとサブの口座は使い方こそ異なりますが、選び方は同じだと考えています。
メイン・サブ口座用の証券会社の選び方……
- 経営破綻の可能性が限りなく0に近い大手の証券会社
- 取引手数料が安い(できれば0円)
- 優良な投資信託など、商品が充実している
- 連携している銀行が多い
上記の条件を加味したメイン・サブ口座用のおすすめ証券会社は……
ものすごくベタですが、やっぱりこの2社が安定感があって強いです。
口座開設やログイン情報の管理などが面倒でなければ、まとめて口座開設しておくのもいいでしょう。
証券口座を開設して使えるまでに時間はかかります。
あらかじめサブの口座をつくっておけば、素早い行動が必要な時に対応がしやすくなるかもしれませんよ。
では3つ目の選択肢である+α口座の候補について。
+αの証券会社の選び方……
- 投資の決定に役立つ情報やツールが利用できる
- IPOの応募に事前入金(資金拘束)がない
- アプリなどスマホで管理・確認ができる
+αとして利用する証券会社は、普段は資産をおかなくてもいい使い方ができるのが望ましいでしょう。
なぜなら基本的に情報ツールとしての使い方や、IPOを資金拘束なしで応募するなどの特殊な使い方を想定しているためです。
+α口座として使いやすい証券口座の具体例を挙げると……
日経テレコンを通じて日経新聞(電子版)を無料で読めますし、スクリーニング機能などユーザビリティに富んだ機能が多いです。
moomoo証券も無料で利用できるツールが充実。
有名投資家のポートフォリオやチャートの予測など、投資をするなら「知っておきたい」ことが揃っています。
また宝くじ感覚でIPOにも取り組みたい人は、事前入金が必要ない証券口座もおすすめです。
事前入金が必要ない = NISAの運用を優先しつつもIPOに取り組みやすい
事前入金で拘束される資金をNISAに入れて運用していれば、福利の効果で資産が増えることが期待できます。
それと単純に資金力がない人にとっては、IPOに複数応募しやすくなる点もメリットと言えますね。
もちろん紹介したいずれの証券会社も、口座開設・開設後の管理に手数料はかかりません。
口座開設するかどうかは別として、気になる証券会社はリンクからサイトの情報だけでも覗いてみてください。
証券口座の複数保有について|まとめ
ここまで全米が震撼した駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
証券口座を複数持つことはいくつかメリットがある一方、デメリットもあることを紹介させていただきました。
記事本編でも触れましたが、結論、投資を始めたばかりの人は……
NISAをやるための証券会社でだけ、口座開設しておけばOK
NISAでつみたて投資をやっていて「もう1つ証券口座あったほうが便利だな」と感じたら増やしてみる、
それくらいのまったり感のほうが、不必要なものに投資するのを防ぐことにもつながるかもですからね。
いずれにしてもこのブログのメインコンテンツであるNISA口座に関しては、1つしか開設できません。
あとから変更する地獄の手間をかけないためにも、メインの証券口座選びは間違えないようにしてくださいね。
それではまた!
証券口座は投資をするためだけのものではありません。
- 投資に関係する情報を収集する
- 優良な投資先を探す
こういった使い方もできるんです。
moomoo証券のアプリは……
- プロも唸らせるハイクオリティな投資ツールが充実
- そのため、全世界で2200万人以上が利用しています!
さらに今なら口座開設すると、最大10万円相当の個別企業の株が当たるキャンペーンを実施中。
「そうはいっても、いきなり情報の薄い証券会社を利用するのはちょっと怖いなぁ……」
そんな方向けに、moomoo証券の良い点・悪い点、正直な評判などをこちらの記事にまとめました。
チェックしてみて「いいじゃんっ、moomoo証券!」と思ったら、まずはアプリだけでも利用してみてください。