NISAがなぜお得なのか理解するので一苦労なのに、成長投資枠なんて物々しいことを覚える気力湧いてきませんよね。
NISAの成長投資枠とは?
- つみたて投資枠よりも運用できる投資商品が豊富な枠
- 年間240万円、NISAの非課税保有限度額1800万円のうち1200万円を占める枠
- スポット買付に利用できる枠(割安タイミングで投資できる)
NISAの成長投資枠は、使いこなすことで資産形成を円滑に進めることができます。
しかし間違った使い方をすれば目標達成は遠のきますし、場合によっては資産減にもなりかねません。
この記事を最後まで読んでおけば……
- 成長投資枠の重要なポイントを理解できる
- 投資初心者がやりがちな成長投資枠の間違った使い方を防げる
ようになるでしょう。
ブログ読者の大半であるサラリーマンにとって、成長投資枠での運用におすすめの商品も紹介。
いつもどおり難しい用語は最小限の内容となっております。
電車やバスの待ち時間にでもサクッと眺めていってください。
NISAの成長投資枠とは? つみたて投資枠との比較で確認
NISAの成長投資枠とはどんなものなのか、つみたて投資枠と合わせて表にしてみました。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
非課税保有期間 | 無期限 | |
枠の併用 | 可能 | |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 1800万円 | |
限度額内訳 | 600万円 | 1200万円 |
注文方法 | 定期注文 | 定期注文 スポット注文 |
購入できる商品 | 金融庁の基準を満たした 投資信託やETF |
投資信託 ETF 個別株 など |
ざっくり「つみたて投資枠よりも規模が大きいんだなぁ」くらいのことが分かっていただければ十分です。
確かに旧NISAを知らない人は違和感感じると思います。
旧NISAでは……
一般NISAとつみたてNISAは、同じ「NISA」という制度でありながら、どちらか選択する必要がありました
一般NISAは、新NISAでいうところの成長投資枠的なシステム
つみたてNISAは、一般NISAでもまんまつみたて投資枠という名称
一般NISAとつみたてNISAが一本化するだけでも、新NISAはすごくお得と話題になりました。
しかし実際は一本化どころか……
- 非課税で保有できる期間が無期限になったり
- 生涯で利用できる枠が1800万円に拡張したり
と大盤振る舞い。
結果的に新しいNISAは期待以上の制度となったのです。
NISAで特に分かりづらいと言われがちな成長投資枠。
次項からその枠のメリットを深堀りしていきましょう。
成長投資枠で投資できる金額は、つみたて投資枠の2倍
NISAの各枠の限度額は……
- つみたて投資枠:600万円
- 成長投資枠:1200万円
成長投資枠では、なんと1200万円分も投資商品を運用できる枠が用意されています。
ちなみに旧NISAにおける一般NISAは年間の投資枠が120万円、運用期間が最長5年。
120万円×5=600万円。ですので投資商品を運用できる枠は旧NISAと比較して2倍になりました。
だからこそ他の勝率が低い投資に見向きをしなくなり、資産形成の寄り道を防ぐことができます。
もちろん焦って1200万円の枠を埋める必要はありません。
制度は恒久化していますし非課税保有期間は無期限。
自分の収入の中からムリなく投資できる範囲で、成長投資枠に資産を入れていきましょう。
成長投資枠では、つみたて投資枠よりも購入できる商品のバリエーションが豊富
つみたて投資枠と成長投資枠、それぞれで購入できる商品は……
- つみたて投資枠:金融庁の基準を満たした投資信託やETF
- 成長投資枠:投資信託、ETF、個別株 など
成長投資枠はつみたて投資枠よりも、豊富なラインナップの中から運用する投資商品を選ぶことができます。
中にはリスクをとって大きなリターンを狙う商品や配当金を払い出す商品なども存在。
個別の株式も購入できることから、ポートフォリオの組み合わせは無限大と言っていいでしょう。
ちなみにつみたて投資枠では選べる商品数が少なく魅力薄に感じるかもしれませんが……
長期でつみたて投資するのに向いているリスク分散効果の高い商品だけが用意されている
→これらは株式投資において、「王道の投資商品」とされている
王道の商品の良いところは、「誰が運用しても同じような成績になる」ということ。
現実的で再現性の高い投資を紹介するこのブログとも相性がいい商品ばかり。
抱き合わせのゴミ商品では決してないので、高リスクの商品より積極的に運用すべきと個人的には考えます。
成長投資枠ならスポットの買い付けにも対応
- つみたて投資枠の注文方法は、設定した日に定期注文のみ
- 成長投資枠の注文方法は、つみたて投資枠の注文方法+スポット注文
※クレカつみたての場合、つみたて設定日は指定不可
成長投資枠では定期注文だけでなく好きなタイミングでのスポットの注文ができる分、自由度が高いです。
具体的な利用シーンとしては……
- 優良な銘柄が、市場の暴落などでバーゲンセールになったときに買う
- 直近で大きく値動きする可能性が高い銘柄に先行投資する
- IPOに当選したときに儲けを非課税にするために使う
などでスポット注文が効果を発揮することがあります。
(IPOについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ)
NISAの成長投資枠で購入できる商品は証券会社によって異なる
成長投資枠ではつみたて投資枠よりも豊富な商品が運用できます。
しかしNISA口座を開設する金融機関によって、「欲しい商品がない!?」となることも理解しておかなければなりません。
最低限押さえておくべきこと……
- 投資信託は、証券会社によって取り扱い有無が違う
- 個別の株やETFは銀行窓口では購入できない
- 対面の窓口は取り扱っている商品数が少ない
一応、NISA口座を開設後に別の証券会社へ引っ越しすることは可能です。
しかし口座開設時と同じく面倒な手続きがあったり投資できない期間が発生したりするので、なるべく避けたいところ。
最初から優良な金融機関を選んでおけば、幸先よく投資をスタートできますよ。
NISA口座開設におすすめの証券会社の判断基準……
- 優良な投資商品が揃っている
- 取引にムダな手数料がかからない
- 管理や取引の手間が少ない
- お金を預けている銀行との連携がとりやすい
これらの条件を加味したうえでNISA口座を開設する証券会社を選ぼうとすると……
- SBI証券
- 楽天証券
ネット証券トップ1・2の、上記いずれかが無難な選択でしょう。
どちらの証券会社を選んでも大きな間違いはありません。
もし細かいサービスの違いまでかっちり比較して決めたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
一般的なサラリーマンはNISAの成長投資枠で何を買うべき?
成長投資枠ではつみたて投資枠と比較にならない商品が運用できるので、何を買おうか迷ってしまいますよね。
そんな悩みを抱えるサラリーマンに、同じサラリーマンであるぼくがおすすめする商品は……
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
通称「オルカン」と呼ばれる超定番のインデックスファンド(投資信託)となります。
前提として投資に正解はないので、「これを買うのが最適解!」という商品はありません。
その上でオルカンをサラリーマンに推す理由はざっくり下記のとおり……
- 自分でポートフォリオのリスク分散をしなくても成り立つ
- コストが安く長期のほったらかし投資と相性が◎
- 別の投資商品を検討する際の基準ができる
忙しいサラリーマンにとって、投資にたっぷり時間を割くのは気が進みませんよね。
せっかくの貴重なプライベートな時間は……
- 映画鑑賞やゲームなどの趣味をこれでもかと楽しむ
- 貯めていたタスクを消化する
- 貧乏谷からの脱出のため資格取得の勉強をする
- 家族や友人、恋人とのコミュニケーションに使う
などの目的に使いたいもの。
極端な話、片手間でできる投資こそ、サラリーマンとの相性がいい投資です。
成長投資枠をオルカンで運用することは、投資への注力を必要最小限にしつつ資産増も狙っていけます。
もちろんそのような買い方も選択肢としてはあります。
ですが……
つみたて投資枠と成長投資枠は別々の商品を買わなければならない、なんてルールは存在しない
成長投資枠もつみたて投資枠もオルカンで統一しておくのが、資産管理の負担を減らすのにも効果的。
注文時に「今月はどれを買い足そうかなぁ」と、余計な思考を繰り返さなくていいですからね。
とはいえ資産形成の目的によっては低リスクのオルカンではなく、高リスクの商品を選ぶべき方もいるでしょう。
しかし投資の相場感をつかめていないサラリーマンは、大事な資産をゴミ商品に投じてしまいがち。
汗水流して――流してなくても様々なストレスと戦いつつ手にしたお金です
……無駄にしたくないですよね?
居酒屋の「とりあえず生」じゃありませんが、NISAも「とりあえずオルカン」が大きな失敗は起こりづらいです。
脳死でオルカン一択もキケンですが、きちんと納得した上であれば資産形成の相棒として活躍してくれますよ。
NISAの成長投資枠で高配当株投資はナシなの?
不労所得である配当金を目当てに、NISAの成長投資枠で高配当株を運用するプランは確かに人気があります。
配当金は魅力的です。ただぼくの考えとしては……
NISAの成長投資枠で高配当株投資をするのは……
- 間違った選択とは思わないが、ぼくはやらない
配当金を生活費や趣味の費用として「使う」つもりなら、高配当株投資の運用は悪手ではないと思います。
ですが資産を増やすことに重きを置いているのであれば、優先度は低いです。
一応分配金を再投資することはできますが、NISAの枠から出た資金の再投資という扱いになってしまいます。
それが何を意味するかというと、NISAの限られた投資枠1800万円を消費するということ。
NISA×インデックス投資という組み合わせなら……
- サラリーマンとしての収入から1800万円のNISA枠を埋める
- 運用しているインデックスファンドはNISAの枠を消費することなく資産が増えていく
このコンボで資産をどんどん増やすことが可能。
ちなみに高配当株を探すのも、慣れるまでは時間のかかる手間多き作業となるでしょう。
- 現実的に資産を最大化させたい方
- 投資をすぐに始めたい方
こういった方々が成長投資枠で高配当株の運用をするのは、少なくとも投資初心者のうちは避けたほうが無難でしょう。
NISAの成長投資枠とは?|まとめ
ここまで成長の余地を一切感じない駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に今回の重要ポイントをプレイバック。
成長投資枠の概要……
- つみたて投資枠よりも運用できる投資商品が豊富
- 年間240万円、非課税保有限度額1200万円(つみたて投資枠と合わせて1800万円)まで利用可能
- 欲しい商品が割安になったときスポット買付で枠を利用できる
NISAをやるなら絶対に仕組みを理解しておくべき成長投資枠。
運用できる商品の多さから身構えてしまいがちですが、この記事を読み終えた方は楽観的になったのではないでしょうか。
つみたて投資枠で買える商品は金融庁のお墨付き商品だけ。
つみたて投資枠と同じ商品を成長投資枠でも運用しておけば、枠の違いを意識する必要がありません。
投資をギャンブルとしてやるつもりのない堅実な方は、NISAの成長投資枠も安全性の高い商品をご検討ください。
それではまた!
証券口座は投資をするためだけのものではありません。
- 投資に関係する情報を収集する
- 優良な投資先を探す
こういった使い方もできるんです。
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