インドの投資信託で大きなリターンが狙えるなら、儲けが非課税になるNISAでぜひ運用したいですよね。
- NISAでインドの投資信託運用はやめとけ、と言われている理由
- インドが投資対象として魅力的だと言われている理由
- NISAで運用できる低コストの投資信託
インドへの投資を検討している人向けに、インドのリスク、そして魅力をまるっと解説。
NISAで運用できる、低コストの投資信託についても紹介いたします。
(一部はNISAのつみたて投資枠でも運用できる商品となっています)
記事後半ではインドの投資信託と相性の良い商品についても解説しているので、ぜひ最後まで眺めていってくださいね。
NISAでインドの投資信託を買うのはアリ?やめとけと言われる理由4選
NISA枠を使って運用できるインドの投資信託が話題になっています。
ただ話題の一部は「やめとけ」のようなネガティブなもの。
そこでNISAでインドへの投資はやめとけ、と言われる理由について調査してみました。
- インド株は長期でリターンが狙えるか怪しいから
- インドの情報が入手しづらいから
- NISAで買えるインドの投資信託はコストが高めだから
- オルカンにもインドは含まれているから
インド株は長期でリターンが狙えるか怪しいから
インドの株が、長期でリターンを産み出してくれることへの懸念が、やめとけと言われる理由となっています。
インドが高い経済成長を続けてきたのは確かに事実。
しかし今後もその成長が続くかというと、新興国ならではの懸念材料からちょっと怪しいです。
インドの懸念材料例……
- 米国のような安定した経済地盤が築けていない
- 市場の透明性がナゾ
- 急激な成長=落ちるときは急激に落ちる
インドを含む新興国は、総じて経済が不安定なことが特徴です。
経済が不安定だと、物の価格が上昇するインフレが進行しやすくなります。
物の価格が上昇するということは、インドの通貨価値が下落するということ。
インドの通貨、ルピーの価値が下がって「円高ルピー安」の状況になると、インドの投資信託の価値も下がってしまいます。
市場の動きがない想定なら、基本上がると思いますよ。
※出典:Googleファイナンス
事実、過去5年で円高ルピー安の傾向は進行してきたため、インドに投資するなら考慮すべきでしょう。
他にも市場の不透明性や株価の乱高下幅の大きさも気になるところ。
ついでに新興国の中では比較的治安は安定しているかもしれませんが、内戦やクーデターなんかの可能性もゼロではありません。
以上のことから、インド株はNISAの長期投資で投資対象にするには、リスクが高めだと考えられます。
インドの情報が入手しづらいから
前項に少し関連しますが、インドの情報が入手しづらいことも、投資対象として不安な要因の1つです。
同じ海外でも、米国のニュースはテレビやYouTubeなどで簡単に入手できますよね。
ひきかえ、インドのニュースは数がそれほど多くなく、最新の情報ではない場合もあります。
インドの情勢がどうなっているかだけでなく……
- インドではどんなものが流行っているのか
- インドではどんな仕事に注目が集まっているのか
- インドの人たちの生活レベルはどれくらいなのか
といった情報も意識しなければなかなか入手することはできないでしょう。
こういった情報不足は、インドへの投資を長期で行うにあたって、必ず邪魔になります。
ちょっと市場が下り坂になったときに、誤った選択にもつながりかねません。
インドの投資信託を買う場合も、情報不足が足かせになるとなる可能性があるため、NISAではやめとけと言われているようです。
NISAで買えるインドの投資信託はコストが高めだから
NISA枠を利用して運用できるインドの投資信託はいくつかありますが、どれもコストが比較的高い傾向があります。
①SBI−フランクリン・テンプルトン・インド株式インデックス・ファンド
→信託報酬:0.2538%
②eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
→信託報酬:0.09372%
インドの投資信託で比較的低コストな①の商品でも、米国の投資信託である②の2倍以上、保有中のコストがかかります。
もちろんコストに見合ったリターンが得られるなら、それで文句はありません。
ただそのリターンは保証されていないのが現実。
(特に新興国であるインドは、先の項目で解説したとおり様々なリスクをはらんだ国です)
投資信託のコストが、大きなリターンを得るための代償と思えない人は、インドへの投資は考え直すべきでしょう。
オルカンにもインドは含まれているから
NISAで人気の銘柄、オルカンにもインドが含まれているため、インドの投資信託を買う必要はない、という考え方もあります。
※出典:オルカン目論見書
前述したように新興国への投資は、先進国よりもリスクが高いです。
それを考慮すると、オルカンの先進国:新興国比率はバランスが◎
そんなオルカンにインドの投資信託を増やした場合、ポートフォリオ全体としての新興国の比率が大きくなります。
「インドの投資信託を買ったことで、かなりハイリスクな資産状態になってしまった」
NISA始めたてで投資に慣れていない場合は、上記のような状態になりがち。
ですのでNISAで運用するのはオルカンだけで十分、といった考え方はシンプルながら堅実な人向きと言えるでしょう。
NISAでインドに投資する魅力とは?
インドの投資信託はやめとけ、と言われている一方、インドが魅力のある市場であることも事実。
では具体的に、インドの投資信託がおすすめされている理由について、いくつか紹介させていただきます。
- インド市場は、米国のS&P500を超えるリターンを出してきた
- インドは今後、GDPが世界1位になることが予想されている
- インドから有能な人材が多く誕生している
インド市場は、米国のS&P500を超えるリターンを出してきた
インド市場は、ここ数十年で米国以上の成長を続けてきたことが、投資対象として魅力的な要因の1つとなっています。
※出典:マネックス証券
上図は各国の代表的な株式指数の、過去20年における成長の推移です。
インドと米国の代表的な株式指数「Nifty50」と「S&P500」を比較すると、インドの方が大きく成長してきたことが分かりますね。
(日本が横這いな点も気になりますが、話がブレるので横に置いておきます)
インドは今後、GDPが世界1位になることが予測されている
インドはGDPが世界1位になることが予測されていることから、今後の成長も期待が持てると考える人は少なくありません。
ざっくりGDPとは……
・国の経済活動の規模を示す指標のこと
・国の経済活動による儲けの総額を表している
※2024年現在、インドのGDPは世界5位
※ちなみに日本のGDPは世界4位
GDPが1位になるかも、と予測されている要因としては……
- 2023年に中国を抑えて人口が世界1位になったため
- 2060年ごろまで、人口が増え続けると予想されているため
- 人口の多くが「生産年齢人口」のため
人がたくさんいれば、生産力が高くなるのは当然ですよね。
しかも今後数十年、さらに人口が増え続けるのであれば成長が加速していくことでしょう。
さらにさらに、インドの人口の約7割が、15~64歳の「生産年齢人口」
※出典:統計ダッシュボード
左が2025年、右は2045年のインドの予想人口ピラミッド。
※出典:統計ダッシュボード
インドのGDPの成長は、インドの株式市場の成長にもつながります。
そのためインドのGDP成長を期待している人にとって、インドの投資信託は魅力的な商品となっています。
インドから有能な人材が多く誕生している
インドから優秀な人材が多く誕生していることも、インドが魅力的な国である一因となっています。
実は皆さんがよく知る世界的な企業の代表(CEO)を、インド生まれの方が務めているんです。
- Google:サンダー・ピチャイさん
- YouTube:ニール・モハンさん
- Microsoft:サティア・ナデラさん
- IBM:アルビンド・クリシュナさん
- スターバックス:ラックスマン・ナラシンハンさん
- シャネル:リーナ・ナイールさん
前項で説明したとおり、インドの人口は現在世界最大で、その数およそ14億人。
世界人口がおよそ80億人なので、だいたい6人に1人がインド人という計算となります。
それだけ数が多いのですから、才能のある人間が生まれてくる可能性も、自然と高くなりますよね。
世界で活躍できる人材は、インド国内にも多くいるはず。
であれば、大きな業績を上げるインドの企業が複数登場してきても不思議ではありません。
そういえば、数字の「0」という概念もインドで発明された、なんて話でしたよね。
上記のことから、人材という資源に満ち溢れたインドは、大きなリターンを産み出す可能性があると言えるでしょう。
NISAでおすすめな、インドのインデックスファンドは?
ここまでの内容で、インドにはリスクがあるものの、魅力があることも分かっていただけたのではないでしょうか。
そこで次にNISAで運用するにおすすめな、インドの投資信託をいくつか紹介します。
いずれも購入時・売却時の手数料がなく、保有中の信託報酬も比較的低コストな商品となっています。
1番信託報酬が安いのは、SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンドで、0.3138%。
また純資産額としては、iFreeNEXT インド株インデックスが一歩群を抜いている感じとなっています。
それと補足情報。
上記の投資信託は、いずれもNISAで運用ができます。
ただし、NISAのつみたて投資枠を利用して運用ができるのは、現状iTrustインド株式のみ。
インド単体ではなく、新興国を対象にした投資信託はどう?
インドの投資信託を検討している人の中には……
「インド以外の新興国も対象にした新興国ファンドはどうなんだろう」
と考えた方も多いのではないでしょうか。
確かに新興国ファンドなら、インドの成長だけでなく、その他の新興国のリターンも享受できます。
ですがリスク分散を狙って新興国ファンドを選ぶのであれば、個人的にはあまりおすすめはしません。
なぜならインド以上にリスクの高い新興国まで、投資対象としてしまうためです。
※出典:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 目論見書
上図の商品のように、インドの比率がメイン扱いとなっていない場合もありますね。
インド市場に魅力を感じて、NISAでインドに投資しようと思っているなら、
ぼくだったら素直にインドの投資信託を選びます。
オルカンのインドへの投資比率は?
記事前半で、オルカンにもインドが投資対象として含まれているとお話しました。
では、インドに注目している人にとって十分な投資比率なのか、改めて確認してみましょう。
※出典:オルカン目論見書
オルカンの新興国比率は全体の10%。
その中でインドは1.8%と、かなりささやかな比率となっています。
元も子もないことを言うと、オルカンのインド比率が十分かどうかは……
人による
低リスクで長期投資を行いたい人にとって、オルカンだけの運用がいいでしょう。
ある程度リスクをとって大きなリターンを狙いたい人にとっては、オルカンと合わせてインドの投資信託を運用するのも一手となります。
ただしポートフォリオ全体として、インドの比率が高くなりすぎないように注意することが重要となります。
インドの投資信託をNISAで運用する場合、リスク許容度の範囲を超えないよう注意する
ここまで、冬の風物詩とも言うべき駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
NISAで運用できるインドの投資信託は、やめとけと評価されるような商品ばかりではありません。
しかし投資初心者にとって比較的リスクが高い商品であることは事実。
ですので、メインで王道の投資信託をつみたてつつ、お楽しみ枠としてインドの投資信託を運用するのがいいでしょう。
ただしある程度投資の間隔に慣れてからやった方がいいですけどね。
それではまた!
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