NISA口座の新規開設も変更もめったにやることではないですからね、間違った選択や分からないことがあって当然です。
- NISA口座を別の証券会社に変更する手続きの流れが分かる
- NISA口座変更で失敗しないためのポイントが分かる
- 本当にNISA口座を変更する必要があるのかが分かる
証券会社のサイトに記載してある小難しいNISA口座変更のルールを、かみ砕いてシンプルにまとめました。
この記事を読んでおくことで、NISA口座の変更でつまづくことを最小限にできます。
記事後半では、今現在あなたが本当にNISA口座を変更すべき状態なのかについても解説。
不要な変更手続きをして2度手間を起こしたくない人は、ぜひ最後までご覧ください。
NISA口座を変更する場合に注意すべきポイント
NISA口座を開設する証券会社を間違えてしまっても、変更の手続きを踏めば軌道修正は可能です。
しかしこれから紹介するポイントを理解しておかないと……
「こんなはずじゃなかったのに……」
という事態になりかねません。
- NISA枠に1円でも投資元本を入れた年はNISA口座変更できない
- NISA口座を変更しても、購入した商品は前の証券会社に残る
- NISA口座の変更は1年に1回までしかできない
- 新しい証券会社でNISA口座が使えるまでに多少時間がかかる
- 面倒くさい
NISA枠に1円でも投資元本を入れた年は、NISA口座変更できない
NISAの枠を使って投資を行った年は、証券会社の変更ができなくなってしまいます。
すでに今年NISAを利用してしまった方は、残念ながら証券会社の変更は来年になるまで我慢してください。
- 10月以降になれば来年のNISA口座変更の受付がスタートします
- 失敗したくない人は年をまたぐ前に申請しちゃいましょう
当然NISA枠で買うのが投資信託であろうが個別の株式であろうが、変更不可は変わりません。
ですが購入ではなく売却であればこのルールに抵触しないため、証券会社の変更は問題なく行えます。
なおNISAでつみたてた資産を無理に売却する必要もありません。理由は次項で。
NISA口座を変更しても、購入した商品は前の証券会社に残る
NISA口座を別の証券会社に変更した場合、それまでつみたてた投資資産はというと……
前の証券会社にそのまま残る
そのとおり。課税口座に移されることなく非課税で保有し続けることができます。
ところで、NISAの非課税保有限度額は1800万円。
証券会社を変更した場合、この1800万円の枠の扱いがどうなるか、例題をつかって説明します。
例)証券会社Aから証券会社Bに変更する場合……
- 変更前の証券会社Aで、投資信託を100万円分購入していた
- 証券会社BにNISAを変更。証券会社Aには100万円分非課税の資産が残る
- 証券会社Bで非課税保有限度額が1700万円の状態からNISAを再スタート
つまり非課税保有限度額1800万円のうち、前の証券会社で100万円分を消費した扱いになるんですね。
前の証券会社で購入した商品をそのまま保有することは資産を分散したい人にとってメリットになり得ます。
しかし人によっては管理が面倒に感じることもあるので、NISAの変更に合わせて一度売却するのも手です。
NISA口座の変更は1年に1回までしかできない
だいたい想像はつくと思いますが、1年に何度もNISAを行う証券会社を変更はできません。
なによりNISA口座を変更する当事者にとって、負担が大きいです。
仮に何度も証券会社の変更ができたとしても、それでルールの穴をついて大儲けができるわけでもありません。
これからNISA用の証券会社を選ぶという人は、何度も変更する必要がないよう一発で本命の証券会社を見つけてください。
新しい証券会社でNISA口座が使えるまでに多少時間がかかる
NISA口座の変更手続きをスムーズに実施したとしても、新しい証券会社で再開できるまでに多少のタイムラグがあります。
出典:金融庁 ホームページ
こちらはNISA口座を新規開設したときの流れ。変更の場合はもう少し面倒な処理が発生します。
- 変更前と変更後の金融機関と書類のやりとり
- 税務省のチェック
などの流れがあることを踏まえると……
面倒くさい
NISA口座を別の証券会社に変更する手続きは面倒くさいです。
よりよい証券会社にNISA口座を乗り換えようという意識は悪くありません。
ですがもし知識不足などの理由から、前の証券会社よりもサービスの悪い証券会社に乗り換えてしまったら……
面倒くさい作業をしただけの骨折り損になってしまう
当然前の証券会社に戻そうとしたら、同様の作業を再び行う必要があります。
そうなる可能性を考えたら、安易にNISA口座を変更しないほうがいいと思うのではないでしょうか。
NISA口座を別の証券会社に変更する流れ
ではNISA口座を別の証券会社に変更する手順について解説します。
-
STEP1NISA口座変更の受付期間を過ぎていないか確認
NISA口座の変更受付には期間が設けられております。
受付期間は10月1日~9月31日。イメージしやすいように三井住友銀行様の作成した下記の資料をご覧ください。
出典:三井住友銀行 公式サイトより
例1)2024年にNISA口座を別の証券会社に変更したいなら……
2023年10月~2024年9月末までが受付期間
例2)2024年の10月以降にNISAの証券会社変更申請をした場合……
2025年1月以降にNISA口座を変更する予約扱いとなる
常 連子年末にNISAの証券口座を変更しようと思っても、最短で年明けまでお預けになるってことねそれと忘れてはいけないのが、NISA枠を利用して1円でも注文した年は、証券会社の変更ができないということ。
その点加味すると、年明け1月にNISA口座変更することを前提であれば、あえて年末にNISA口座の変更申請をする手もあります。
サラりん今年分のNISA枠をしっかり使い倒したうえで証券会社を変更できるので、むしろ年末に申請するのを推奨する人も多いです -
STEP2現在NISA口座を開設している証券会社に変更申請する
現在NISA口座を開設している証券会社に、NISA口座を変更するための手続きを行います。
①証券会社に問い合わせてNISA口座変更の届け出書を送付してもらう
→金融商品取引業者等変更届出書という書類が送られてくる
②送られてきた書類の内容を確認し返送
→証券会社に書類返送後、新しい証券会社に提出するための通知書が送付される
送付されてくる通知書の名称は……
- 勘定廃止通知書
- 非課税口座廃止通知書
といろいろ種類があって覚えづらいので「通知書が届くんだ!」とだけ記憶してもらえば十分です。
サラりんこの通知書は、新しくNISAを始める証券会社に提出が必要になります -
STEP3新しくNISA口座を利用する証券会社に届出する
いよいよ新しい証券会社にNISA口座変更の届出です。
NISA口座変更の届出に必要なもの……
- 変更前の証券会社から届いた勘定廃止通知書や非課税口座廃止通知書
- マイナンバーカードや免許証などの本人確認書類
それと新しい証券会社で総合口座を開設していない人は、まずそちらの開設が必要になる場合があります。
総合口座の開設には①の通知書は必要ありませんが、②は必要となりますので準備しておいてください。
と、説明したものの、総合口座とNISA口座を同時に申し込みできる証券会社もあるので、そんなに気にしなくていいかもです。
サラりんネット証券トップのSBI証券や楽天証券は、総合口座とNISA口座の同時申し込みに対応した証券会社ですまたここでも税務署の審査により1~2週間程度時間がかかることは覚えておきましょう。
審査が無事完了したら、ようやく新しい証券会社でNISA口座が利用できるようになります。
どこの証券会社でNISA口座を開設したか忘れてしまった場合は?
NISA口座用の証券会社を変更するにあたって、このような状態の方もいらっしゃるかと存じます。
ちょっと回り道する必要はありますが、どの証券会社でNISA口座を開いたか調べる方法はあるんです。
NISA口座を開いた証券会社を確認する方法は……
- e-Taxのマイページから調べる
- 税務署で調べてもらう
税務署での照会には時間や手間もかかるので、①の方法で確認するのがおすすめです。
ちなみに税務署で調べる場合は……
- 本人確認書類と印鑑を用意する
- 最寄りの税務署窓口に行く
- 「非課税口座の開設先金融機関に関する確認依頼書」をもらって記入する
- 提出する(持ち帰って郵送でも可)
- 確認がとれるまで待つ
- 確認完了後、NISA口座を開設した証券会社や銀行から回答がもらえる
別の証券会社へNISA口座の変更を検討すべき人
ここまでの解説の中でも触れたとおり、NISA口座を別の証券会社に変更するのは手間がかかります。
そこで簡単なチェックポイントをつくりました。
今現在NISA口座を保有している証券会社で、下記のような不満を抱えている場合は変更を検討してもいいでしょう。
- 欲しい商品がない
- 手数料が高い
- 取引の手間が多い
優良な証券会社なら……
- NISAで買える商品数が多い
- 手数料の安い優良な商品が買える
- 自動買付設定で取引の手間が少ない
こういった特徴を持っています。
つまりこれらのメリットを感じない証券会社は、NISA口座を開設するには不適合。
ちなみに窓口でNISA口座を開設してしまうと、紹介した3つの不満を抱えやすいです。
SBI証券と楽天証券間でのNISA口座変更は、わざわざやらなくてよい
NISA口座の証券会社を変更する話をすると……
とか
といった質問が必ず飛んできます。
もちろんそうなんですが、SBI証券と楽天証券についてはちょっと話が別。
SBI証券と楽天証券の変更は、98点が99点になるような微々たる差しかない
過去に作成したSBI証券と楽天証券を比較した記事を見てくれた方は分かるかもですが……
この2社は、NISAのサービスにおいて業界トップ。
トップクラスではなくトップです。羽川翼が2人いるみたいに考えてもらえばイメージしやすいですね。
SBI証券も楽天証券も、NISAをやるのに十分な機能・サービスが備わっています。
ほんの少しの優劣を埋めるためだけに、面倒で時間のかかるNISA口座の変更を行うのはコスパが×
SBI証券と楽天証券間でのNISA口座変更で生じる可能性のあるデメリット……
- 変更期間中にNISA口座が利用できない
- せっかく使い慣れたツールを手放すことになる
- 証券会社を変更するために脳のリソースを割かなければならない
今現在SBI証券か楽天証券でNISAを行っているなら、この情報を見ていることすら時間のムダ使い。
下記点が気になり「変更しないと頭がおかしくなる!」という人は、精神衛生上乗り換えを検討してもいいかもしれません……
- 投資情報を頻繁に確認したいのにSBI証券だと見づらさが気になる
- 楽天市場などの楽天経済圏をどっぷり使っている
- SBI証券でIPOにも取り組んでいきたい
- クレカつみたてのポイント付与がお得なのに証券会社の違いでもらえていない
ただそれでも、基本的にSBI証券と楽天証券間でのNISA口座変更は不要だと、ぼくは考えます。
NISA口座の証券会社変更について|まとめ
ここまで情緒あふれる駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
NISA口座を別の証券会社に変更することは可能なものの、注意すべきポイントがあることは理解が必要です。
NISA口座を別の証券会社に変更する場合の注意ポイント……
- NISA枠に1円でも投資元本を入れた年はNISA口座変更できない
- NISA口座を変更しても、購入した商品は前の証券会社に残る
- NISA口座の変更は1年に1回までしかできない
- 新しい証券会社でNISA口座が使えるまでに多少時間がかかる
- 面倒くさい
上記を押さえておくことで、NISA口座が使えない期間を少なくできます。
また本当にNISA口座を今の証券会社から変更するべき状態なのか、について確認しておくことも重要です。
今の証券会社でNISAをやっていて……
- 欲しい商品がない
- 手数料が高い
- 取引の手間が多い
といった「負」を抱えている場合は、証券会社の変更を検討してもいいでしょう
NISA口座を別の証券会社に変更するのは時間も手間もかかる面倒な作業。
貴重なプライベートの時間は学ぶことや楽しむことなど、他の有意義なことに使えるといいですね。
それではまた!
証券口座は投資をするためだけのものではありません。
- 投資に関係する情報を収集する
- 優良な投資先を探す
こういった使い方もできるんです。
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