- NASDAQ100がやめとけと言われるのは、リスクとなる理由があるから
- 個人的にはNASDAQ100投信が「絶対にナシ」とは思われない
- ただしNISAの長期投資でメインのつみたて商品にはしづらい
NASDAQ100は米国を対象にした指数で、S&P500以上のリターンが期待されることでも注目されています。
しかし大きなリターンには大きなリスクが付き物。
そのことを理解せずNASDAQ100投信に手を出すのは、めちゃくちゃキケンです。
この記事ではNASDAQ100がやめとけと言われる理由を、シンプルに紹介しています。
記事後半では、NISAで運用するなら検討すべきNASDAQ100連動の投資信託も紹介。
自身の資産にNASDAQ100投信を組み込むべきか迷っている人は、ぜひ最後まで眺めていってくださいね。
NISAでNASDAQ100投信はやめとけと言われる理由5選
NISAでNASDAQ100連動の投資信託はやめたほうがいい、と言われる要因として、下記のような理由が挙げられます。
- ハイテク企業の影響を受けやすい
- S&P500投信よりも銘柄分散が弱い
- NISAで長期保有するならコストが気になる
- どうせリスクをとるなら、NASDAQ100よりハイリターンを狙える商品がある
- レバナス(レバレッジ型のNASDAQ100)がキケンという口コミの影響
ハイテク企業の影響を受けやすい
NASDAQ100の構成銘柄上位にテクノロジー系の企業が多いことから、資産の増減幅が大きくなりやすい傾向があります。
NASDAQ100の上位構成銘柄……
- アップル
- マイクロソフト
- アマゾン・ドット・コム
- ブロードコム
- メタ・プラットフォームズ
- エヌビディア
- テスラ
- アルファベット(Googleの親会社)
- コストコホールセール
- アドビ
※2023年12月現在
NASDAQ100の構成上位銘柄はこのようになっているのですが、その多くがテクノロジーに関する企業。
AIバブルに半導体需要の増加など、ポジティブな話題が多いときは、NASDAQ100も大きく伸びます。
しかしAIバブルの崩壊が起きたら、NASDAQ100もその煽りを受けて暴落する可能性もあるのです。
投資期間が長くなるほど、暴落を経験する確率は高まります。
長期投資で株価の大きな波を避けたいのであれば、NASDAQ100は最善の選択肢とは言えません。
S&P500投信よりも銘柄分散が弱い
前項に関連して、NASDAQ100はその名のとおり組み入れ対象銘柄は100。
対して同じ米国の代表的な指数であるS&P500は、500銘柄を対象としています。
投資する対象の銘柄が多いほど……
1社が暴落や倒産したときのダメージを抑えることができる
1952年にハリー・マーコウィッツさんという方が唱えた現代ポートフォリオ理論でも、
資産の分散こそ、リスクを抑えつつリターンを維持するのに重要だとされています。
そもそも投資信託という投資商品のメリットの1つが、小額でたくさんの銘柄に分散投資できることです。
つまるところ……
- 500銘柄を投資対象にしたS&P500投信の方が
- 100銘柄を投資対象にしたNASDAQ100投信より
投資信託のメリットである資産の分散が、しっかりできているということになりますね。
(リスク分散効果が高い、なんて表現をすることもあります)
NISAで長期保有するならコストが気になる
NASDAQ100連動の投資信託は、他のインデックスファンドと比較してコストが若干高い傾向があります。
例えば、保有中の信託報酬が最低水準なことから人気の「eMAXIS Slim」シリーズと比較してみると……
商品名 | 信託報酬 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% |
eMAXIS NASDAQ100インデックス | 0.2035% |
こんな感じです。
※「eMAXIS Slim」シリーズでNASDAQ100を取り扱った商品は現状ありません
※「eMAXIS」シリーズも運用会社は同じですが、商品コンセプトに違いがあります
※すべてのNASDAQ100投信が「eMAXIS NASDAQ100インデックス」と同じ信託報酬というわけではありません
もし100万円投資したら……
- S&P500投信の年間コストは、約937円
- NASDAQ100投信の年間コストは、約2035円
投資期間が長くなるほど、つみたてた金額が増えるほど、この数千円の差が数万円、数十万円の差になることも否定はできません。
もっともそのコストに見合ったリターンが狙えるのであれば、NASDAQ100にベッドする価値はあります。
ですがNASDAQ100の今後のリターンに大きな期待が持てないのであれば、コストの大きさばかりが気になってしまうでしょう。
どうせリスクをとるなら、NASDAQ100よりハイリターンを狙える商品がある
実はNASDAQ100投信以外にも、米国を投資対象にしたハイリターンが狙える商品は、いろいろあります。
一例を挙げると……
いずれの投資信託も、NASDAQ100をけん引するような銘柄で構成された商品。
はっきり言うと、NASDAQ100指数の成長を大部分を生み出してきたエリート企業のみに絞って投資ができる商品です。
もし過去の成長率に着目して、NASDAQ100を検討しているのであれば……
上記で挙げたようなより的を絞った商品のほうが、より満足度の高い商品となる可能性があります。
レバナス(レバレッジ型のNASDAQ100)がキケンという口コミの影響
ちょっと毛色が違いますが、レバナスがキケンという口コミを見た人が、NASDAQ100は危ない商品と感じているケースもあるようです。
ざっくりレバナスとは……
NASDAQ100指数の値動きの、2倍の値動きをする商品
- NASDAQ100指数が10%上昇すれば、レバナスは20%上昇する
- NASDAQ100指数が20%下落すれば、レバナスは40%下落する
レバナスの投資信託と、NASDAQ100連動の投資信託は、商品の仕組みは別物。
レバナスがキケンと感じるのであれば、通常のNASDAQ100投信を選べばOKです。
「でもレバナスかどうか、違いが分からないから、間違って買ってしまいそうなんだよなぁ」
という人は、商品名に「レバレッジ」という文言があるかどうかで見分けるのがいいと思いますよ。
(たとえば……iFreeレバレッジ NASDAQ100」は、レバナス)
それとNISAではレバレッジ型の商品は運用できません。
ですので商品検索をする際、NISA枠で買えるかどうかで検索条件をつけておくと、より確実です。
やめとけ、と言われるNASDAQ100はどんな指数?
NASDAQ100はやめとけ、という意見がある一方、注目している人も多いのは事実。
ということでNASDAQ100がどんな指数なのか、確認してみましょう。
NASDAQ100指数とは……
- 米国のNASDAQ(ナスダック)市場に上場している銘柄の中で、時価総額上位の100社を対象にした指数
- ただし金融系の銘柄は対象外
- 1985年から指数の算出を開始
- NASDAQ Stock Market社が提供している指数
- 年1回(12月)、銘柄入れ替えが行われる
前述の内容で紹介しましたとおり、組み入れ銘柄の上位には、世界を代表するテック企業が名を連ねています。
NASDAQ100の上位構成銘柄……
- アップル
- マイクロソフト
- アマゾン・ドット・コム
- ブロードコム
- メタ・プラットフォームズ
- エヌビディア
- テスラ
- アルファベット(Googleの親会社)
- コストコホールセール
- アドビ
※2023年12月現在
これらNASDAQ100をけん引する大企業の成長もあって、指数は右肩上がりを続けてきました。
この成長が今後も期待できると感じている人たちから、NASDAQ100は大きな注目を浴びています。
NASDAQ100とS&P500、どちらが優れている?
右肩上がりの成長を続けている指数と言えば、S&P500も有名です。
NASDAQ100もS&P500も、同じ米国を対象にした指数。
となると、どちらの指数がより大きなリターンを出してくれるのか、気になりますよね。
出典:Googleファイナンス
NASDAQ100の方が銘柄が少ない分、GAFAMやテスラ、エヌビディアなど高いリターンを出してきた企業のウェイトが大きです。
そのことがS&P500との実績差の一因になっていると考えられますね。
もっともチャートを切り取る期間によっては、NASDAQ100<S&P500になることもあります。
また銘柄分散が効いているS&P500投信の方が、長期で保有したときの安心感は高いです。
まとめると、NASDAQ100とS&P500、どちらが優れているかは……
- 高いリターンを目指す人にとっては、NASDAQ100が優れた指数
- 長期投資の安定感を求める人にとっては、S&P500が優れた指数
といった感じです。
NISAで買えるNASDAQ100連動の投資信託にはどんな商品がある?
NISAでNASDAQ100投信を検討している人は、下記の商品をチェックしてみてください。
いずれも指数との乖離が少なく、保有中のコストも低めに設定された商品となっています。
ちなみにiFreeNEXT NASDAQ100インデックスは、NISAのつみたて投資枠でも購入が可能。
NISAの枠をすべてNASDAQ100投信で運用したくて溜まらない人にとっては、魅力的かもしれません。
NASDAQ100投信をNISAで運用するなら、別の商品と組み合わせるのがベター
ここまで、人工衛星からも観測できる駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
NASDAQ100投信は、必ずしもやめとけ、と言われるほど危険な商品ではありません。
むしろ資産形成の目標によっては、NISAでの運用を検討する価値があると思います。
が、やはりS&P500投信と比較して、リスキーな商品であることも事実。
ですので現実的に資産増加を目指すのであれば、メインでつみたてるのはS&P500投信やオルカンなどがいいでしょう。
それではまた!
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