大統領選のネガティブな話題があると、NISAの資産が減るんじゃないかと心配になりますよね。
- 大統領選の結果は、NISAの収益状況に影響を及ぼす可能性は確かにある
- ただし長期投資を前提にしているなら、憂慮する必要はない認識
- 大統領選の前にNISAの資産を売却する必要性も薄いと考える
現状、とがった政策を打ち出しているトランプさんが大統領になると、株価も大きく動きやすいと思われます。
それがNISAで投資している人にも大きな影響となるのか、FPの視点から予想。
大統領選前後に、ぼくが投資のつみたて設定を変更しない理由についても解説します。
その辺の解説よりラフな内容のはずなので、NISAで間違った判断を防ぎたい人は、ぜひ眺めていってください。
アメリカ大統領選挙の結果は、NISAにどんな影響を与える?
11月のアメリカ大統領選は世界中が注目する2024年のビッグイベントの1つ。
注目している理由は人それぞれですが、ぼくと同じくNISAで投資をしている人たちは、
「大統領選の結果で、NISAの成績に大きな影響が出るんじゃないだろうか」
「トランプとハリス、どっちが勝つと、自分の資産も増えやすいだろうか」
といったことが気になっているのではないでしょうか。
と、前置きはこのへんにして、大統領選がNISAに与える影響について、
- 短期(1年以内)
- 中期(3~5年位)
- 長期(10年以上)
の3つの期間で解説させていただきます。
※あくまで個人の推測となりますこと、あらかじめご承知おきください。
NISAへの短期的な影響
まずは大統領選挙後、1年くらいの期間におけるNISAへの影響から。
- 投資対象に米国市場を含んだ投資信託は、評価額が上がる可能性がある
※理由については中期・長期と合わせて後ほど
ナシではありませんが、不確定な要素のために無理して一括投資しないほうがいい気はします。
特に投資初心者は、一括投資した直後に評価額が下がったときのストレスを大きく感じやすいもの。
無理して行う一括投資より、小さな負担のつみたて投資の方が、投資の継続には効果的。
マラソンと同じで自分のペースを崩した人から、投資を離脱していくことになります。
中期的な影響
続いて大統領選挙後、3~5年くらいの期間におけるNISAへの影響について。
- 投資対象に米国市場を含んだ投資信託は、評価額が少しずつ上がる可能性がある
※理由については短期・長期と合わせて後ほど
目的があって全世界株式を選び、つみたててきたならやめておいたほうがいい、と思います。
このブログの読者様であればご存じかもですが、全世界株式インデックスファンドにも、米国は含まれています。
(しかも割合的には半分以上)
それなのにあえて全世界株式を選んだのは……
- リスク分散効果
- 新興国や日本などの市場への期待
- コスト(信託報酬)の安さ
などのポイントも考慮してのことだったはず。
(オルカンであれば「みんなが買っている安心感」もあるかもしれません)
そこをないがしろにして一過性の利益に飛びつくのは、投資目的のブレにつながる可能性もあります。
もし全世界株式から米国株式へスイッチングするつもりなら、投資のゴールについても改めてシミュレーションしておきましょう。
長期的な影響
最後に大統領選挙後、10~20年ほどの期間におけるNISAへの影響について。
- 今回の大統領選による影響はほとんどない
※理由については短期・中期と合わせて後ほど
断言はできませんが、取り立ててやるべきことはないと思っています。
もちろん大統領選前後につみたて金額を変えるようなこともしません。
特別なことをやらなくても成り立つ、それが資産形成の究極体。
NISA×インデックス投資の組み合わせは、それを実現させる数少ない手法の1つです。
現実的に資産増が狙えるだけでなく、忙しいサラリーマンとの相性もいいと考えています。
トランプさんが大統領選に勝利した場合の政策
保留にしてきたNISAへの影響根拠と合わせて、トランプさんが大統領選に勝利した場合の政策について解説します。
米国第一主義(アメリカ・ファースト)がトランプさんのモットー。
大統領1期目のときもこの主義に基づいた政策を行ってきました。
では今回の大統領選で掲げている主な政策はと言うと……
- 国内産業の保護
- エネルギーの生産促進と規制緩和
- 金利の引き下げ
国内産業の保護
米国で消費するものは米国で生産されるよう、国内産業の保護に努めるとトランプさんは言われています。
具体的にやることとしては、国外からの輸入品に対し高い関税をかけるとのこと。
そうすることで米国以外から輸入されてきた商品は手に取りづらい値段で市場に流通します。
米国で生産した商品が売れるようになれば……
- 需要に供給が間に合わなくなってくる
- 工場で生産ラインを増やす必要が出てくる
- 人手を増やすため雇用が拡大する
- 働く人が増えて米国の失業率が低下する
その結果、中期的に米国経済の成長が続くことが予想され、株式市場にもプラスの影響があると言われています。
エネルギーの生産促進と規制緩和
「ドリル、ベイビー、ドリル(掘って、掘って、掘りまくれ)!」
こちらはトランプさんのちょっと有名な台詞。
何を掘るのかと言うと、石油・天然ガスなどの化石燃料、つまりエネルギー資源です。
エネルギーの生産促進と規制緩和によって……
- エネルギー資源を確保することで、エネルギーにかかるコストが下がる
- 雇用の創出によって失業率低下につながる
- 企業はより自由で活発な活動が行えるようになる
ちなみにバイデン政権の「気候変動対策」とは方向性が逆を行く政策です。
長期的な良し悪しは今のところなんとも言えません。
ですがNISAで米国を投資対象にしているのであれば、大統領選後、市場がじんわりと成長していく可能性はあります。
金利の引き下げ
「大統領選があった年は、株価が上がる」
株式投資の世界では、上記のようなアノマリー(説明が困難な事象のこと)があります。
ですが実際は、金利の引き下げが行われているから、と説明がつけられる事象なんだとか。
金利の引き下げが行われると……
- 銀行に預金してもお金があんまり増えない
- ドルよりもっとお金が増えやすい資産に乗り換える
- ドルの価値が下がる
日本でドル高・円安と言われていたのが逆転して、ドル安・円高になるかもしれませんね。
自国の通貨価値が下がると、輸出事業が儲かりやすくなります。それを狙っているのかと。
(日本も円安のニュースが話題の最中は、自動車業界あたりはけっこう伸びていますよ)
それと金利の低下は、米国の企業にとって「銀行からの融資が受けやすい状態」への変化でもあります。
もっと言うと個人もローン組みやすくなったり、債券より株式のほうが儲かるから株買う人が増えたり……
といった様々なことが複合化して、なんやかんやで市場が伸びる(株価が上昇する)ということです。
金利引き下げが2024年の年末に行われる、と予想しているアナリストの方も多いです。
実際に金利の引き下げが行われれば、過去のデータ上、大統領選後1年以内の株価は上昇の見込みがあります。
ハリスさんが大統領選に勝利する可能性は?
連日の報道を眺めている感じでは、可能性は十分あるような気がします。
となるとハリスさんが勝利した場合の予想なのですが……
- 今のところ、ハリスさんの経済政策が株価の大きな変動につながるのか、ちょっと疑問
ハリスさんは現大統領であるバイデンさんと同じ民主党。
不仲説が囁かれるものの、政策の多くはバイデンさんと共通しています。
バイデンさんも米国産業の強化を打ち出していましたが、トランプさんよりはちょっと弱い印象だったかもしれません。
それを引き継ぐハリスさんがどこまで独自のアプローチを行ってくるかですが、なかなか難しい気がします。
- 法人税の引き上げ
- 化石燃料依存からの脱却
などの目標も支持率アップになっている一方、
「株式投資にはマイナスじゃね?」
といったネガティブな印象を抱く人も一定数いるはず(そのうちの一人がぼく)
まあ良く言えば、ハリスさんが大統領になっても「株価が不安定化しにくい」ということはあるかもしれません。
少なくともトランプさんが大統領になるよりは。
米国大統領選の前にNISAの資産を売却するのはアリ?
ほとぼりが冷めるまで投資はお休みする、みたいな人もSNSではときどき見かけますね。
ぼくの意見としては、米国大統領選の前にNISAの資産を売却するのは……
- 自分で納得して決めたのであれば、ナシではない
- ただし、基本的には売却せず保有していたほうが無難
「大統領選をきっかけに資産価値が下がるかも」という心配がストレスに感じているなら売却も1つの手段です。
しかしもし現在含み益があり、数か月後にはNISAへの投資を再開するつもりなら……
- 含み益の分、非課税保有限度額(1800万円)の枠を無駄に消費してしまう
のが個人的に気になります。
また当然のことですが、売却してNISAを利用していない期間、資産運用はストップします。
これは「大統領選後に資産が減るかも」しれませんが「大統領選後に資産が増えるかも」という可能性も放棄することに他なりません。
長期投資をしている人の属性を調査すると、
- あれこれ資産配分を調整している人より
- 投資をしていることを忘れていた人の方が成績がよかった
なんて話もあります。短期の損益のことであれこれしていると②の属性からは遠ざかるということですね。
そして何より……
不確定な要素に振り回されてムダな行動をするのは面倒くさい
NISA×インデックス投資の大きなメリットは、手間の少なさ。
大統領選の前にNISAの資産を売却するのは、この長所を自ら潰してしまう所業と言えます。
忙しいサラリーマンが小さな負担で投資を行っていくなら、いちいちイベントごとに反応しないほうがいいでしょう。
結論:NISA続行も一時撤退も、自分で納得いく選択をするのが重要
ここまで、どこかで見たことがある駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
2024年11月の大統領選は、NISAと無関係ではありません。
しかし、ぼくと同じく長期投資を前提に取り組んでいる人にとっては、微風も同じ。
ただ短期的な損益に振り回されないために、大統領選後の株価がどう動くのか、理解しておいて損はないはず。
NISAを一時的にやめるにしても、取りこぼしが発生する可能性を納得した上で中断するようにしましょう。
それではまた。
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