楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド※とeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
※公式の愛称は「楽天・プラス・オールカントリー」ですが、この記事では「楽天オルカン」と呼称させていただきます。
信託報酬が安いのは楽天オルカンですが、隠れコストも考慮するとどちらが低コストなのか、気になる人は多いのではないでしょうか。
- 隠れコストも加味すると、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方が若干低コスト
- ポイント付与も考慮しても、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)に軍配が上がる
- ただし楽天オルカンは、今後の運用次第でコストがより抑えられる可能性を秘めている
- そもそもどっちも低コスト・運用も安定しているので、乗り換えが必須とは感じない
楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の実質コストを、分かりやすく比較してみました。
「隠れコストのこと、よく分からなーい」という方にとって、さくっと情報収集できる記事となっております。
記事後半では両ファンドのリターンについても言及していますので、ぜひ最後まで眺めていってくださいね。
【隠れコストも考慮】楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の実質コストを比較
では早速、楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の、隠れコストを含めたコストを比較してみましょう。
隠れコストの数値は……
・楽天オルカン
・eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
それぞれの運用報告書から引用させていただきました
前提として、楽天オルカンは2023年10月27日~2024年7月16日の263日分のデータしか公表されていません。
ですので年間での数値に計算した上で、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)と比較しています。
楽天オルカン | eMAXIS Slim 全世界株式 (オルカン) |
|
①信託報酬 | 0.0561% | 0.05775% |
②売買委託手数料 | 0.030% | 0.006% |
③有価証券取引税 | 0.081% | 0.019% |
④その他費用 | 0.028% | 0.030% |
合計(実質コスト) | 0.1951% | 0.1127% |
※いずれも最新の運用報告書をもとにデータを作成
その隠れコストを含めた実質コストを見ると、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方が低コストという結果に。
楽天オルカンは、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)よりも信託報酬が安いことが、運用当初、話題となりました。
そこに注目して楽天オルカンをつみたててきた人にとっては、少し残念だったかもしれませんね……
とはいえ楽天オルカンの実質コストも、別に「高すぎっ」ということはないとぼくは思います。
一応比較ということで優劣はつけましたが、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とは百分の一単位でのコスト差ですからね。
というわけで、ひとまずの結論として、
もし楽天オルカンをつみたて続けてきた人は……
- 売却してeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)に買い替えでも
- そのまま保有でも
問題なしっ
まあ、NISA枠の利用で含み益が出ている状態なら、非課税保有限度額の無駄遣いを避けるためにキープがいい気がします。
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)も過去には隠れコストが大きいことはあった
楽天オルカンの肩を持つようですが、今回楽天オルカンの隠れコストの確認に利用した運用報告書は、中間報告的な内容からの引用です。
対してオルカンは……
2019年から運用を続けてきた実績が下地にあってのデータ
1年目の新入社員と、5年目のベテラン社員、どちらが仕事の理解度が高いかは自明の理。
楽天オルカンは誕生してまだ1年弱です。今後、隠れコストの改善は十分見込めます。
それと項目タイトルのとおり、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)も常に今回のような隠れコストだったわけではありません。
もしeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)並みの隠れコストになれば……
信託報酬が安い分、業界トップの低コストファンドに成長しているかもしれませんね。
楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の実質コストをポイント付与率込みで比較
ところで楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)には、それぞれポイント付与のサービスが用意されています。
ここでいうポイント付与とは……
投資信託を保有しているだけで貰える「投信残高ポイントプログラム」のこと
※証券会社によってポイント付与サービスの名称や内容は異なります
このポイント付与サービスも加味すると、実質コストの優劣にも変化が生じるはず。
ということで、下記表にデータをまとめました。
楽天オルカン | eMAXIS Slim 全世界株式 (オルカン) |
|
コスト(隠れコスト込) | 0.1951% | 0.1127% |
ポイント付与率 | 0.017% | 0.0175%※ |
合計(実質コスト) | 0.1781% | 0.0952% |
※SBI証券の「投信マイレージサービス」のポイント付与率にて比較
……うーん。
そのようですね。はい。
まあ、この結果だけで終わるのはアレなので、1つ補足。
楽天オルカンを販売している楽天証券では、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)に対してポイント付与はありません。
前項でお伝えしたとおり、楽天オルカンの隠れコストが是正されれば、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とコストは横並びになる可能性があります。
そこに期待して楽天証券でつみたて投資をするなら、ポイント付与も含めて楽天オルカンを選択するのも悪くないでしょう。
楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の同期間における運用実績を比較
ここまでコスト、コスト……と言い続けてきましたが、
コストが安くても、運用成績が悪いのでは意味がありませんよね。
(逆にコストが多少割高でも、それに見合ったリターンが狙えるなら◎ですし)
ということで、楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の運用実績を確認してみます。
※出典:みんかぶ
チャートの動きはほぼ同じ。しっかり指数に連動していることがうかがえます。
楽天オルカン | eMAXIS Slim 全世界株式 (オルカン) |
|
過去6ヶ月リターン | 18.06% | 18.33% |
過去1年リターン | 31.20% | 31.50% |
数値で見ると、若干eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)が高いリターンを記録しているようですね。
とはいえ、やはりリターンに大きな差はなさそうです。
この実績が今後も続くようなら、
- 楽天オルカン
- eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
どちらでつみたてていても、基本的に大きな間違いはないのかな、と思います。
低コストを重視するならeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)だが、楽天オルカンも将来性は高い
ここまで、夢にまで見た駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に総括すると……
- 過去データから、低コストで選ぶならeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
- ただし楽天オルカンも、今後の運用次第で化けるポテンシャルはある
- そもそもどちらも低コストな優良ファンド
現状、実質コストはeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)が少しだけ優れています。
しかし楽天オルカンも運用初期段階のため、将来性に期待してつみたてるのは決して悪い選択肢ではありません。
楽天オルカンもeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とほぼ同様の成績ですから、今から無理に乗り換える必要もなし。
自分が納得してつみたてを継続できる商品に投資をしましょう。
それではまた!
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