どうせ同じ商品なら、低コストで、かつより優秀なリターンを出してくれる方を選びたいですよね。
- SBI・SCHDは楽天SCHDと同じテーマの商品(投資信託)
- SBI・SCHDは、発表されている信託報酬が楽天SCHDより安い
- ただし運用してみないと楽天SCHDより優れているかは分からない
- よって、楽天SCHDを売ってSBI・SCHDを買うのが最善とは限らない
今年9月に楽天証券より登場した楽天SCHDに対抗してか、SBI証券がSBI・SCHDの運用開始を発表しました。
そこでSBI・SCHDと楽天SCHD。どちらがより優れた商品なのか、この記事で解説いたします。
楽天SCHDからSBI・SCHDに乗り換えをしようか迷っている人にとっては、特に有益な情報となっております。
記事後半では、SBI・SCHDが自分と相性の良い商品なのか分かる情報もあるので、ぜひ最後まで眺めていってくださいね。
SBI・SCHDと楽天SCHDのカタログデータを比較
ではでは、SBI・SCHDと楽天SCHDにどんな違いがあるのか、カタログデータで比較してみましょう。
SBI・SCHD | 楽天SCHD | |
信託報酬 | 0.1238% | 0.192% |
投資対象国 | 米国 | |
主要投資対象 | シュワブ・米国高配当ETF(SCHD) | |
配当利回り(参考値) | 年3.48%(本家SCHDの過去5年リターン) | |
連動する指数 | ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス | |
設定日 | 2024年12月20日(予定) | 9月18日 (販売開始は9月27日) |
取扱い証券会社 | おそらくSBI証券のみ | 楽天証券のみ |
NISAでの取り扱い | おそらく成長投資枠のみ運用可 | 成長投資枠のみ運用可 |
分配月 | 3,6,9,12月(※1) | 2,5,8,11月(※2) |
※1 初回分配は2025年6月
※2 初回分配は2025年2月
主要投資対象の「シュワブ・米国高配当ETF」が、いわゆる本家SCHDですね。
SBI・SCHDや楽天SCHDを通じて間接的に投資対象となる銘柄が、本家のSCHDとなります。
やはり同じSCHDを間接的な投資対象としているだけあって、被っている項目が多いです。
その中でも特筆すべきは運用中にかかってくるコスト、信託報酬。
信託報酬に関しては、SBI・SCHDの方が楽天SCHDより3分の2ほど安く設定されています。
まだ正式な発表ではありませんが、楽天証券×楽天SCHDと同様に、SBI証券でしか買えない商品と思われます。
ですのでSBI・SCHDを検討している人は、販売が開始される前にSBI証券の口座開設をしておくのがいいでしょう。
それと、SBI・SCHDと楽天SCHDは正式名称から分かるとおり、配当が払い出される商品となっています。
分配金の払い出し月がそれぞれ異なるので、仮に両方保有していると、1年で8カ月分配金がもらえますね。
おそらくSBI・SCHDも楽天SCHDと同様、NISAで運用できる商品となると思いますので、
分配金をなるべくたくさん受け取りたい人は、NISAで運用も検討しておいていいかもしれません。
SBIと楽天に共通する「SCHD」とは?
ところで前項で初めて「SCHD」という言葉を聞いた人の中には……
「なにそれ? サプリメントのこと?」
みたいな感想を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでSCHDについて、さらっとではありますが深堀りしておきます。
SCHDとは……
シュワブ・米国高配当ETFという商品のこと
※ETFは投資信託の仲間みたいなもの。詳しく知りたい方はこちらから
SCHDは、米国で人気のETF「VYM」をしのぐ高い利回りと配当成長率を挙げてきた
「だったらSBIとか楽天のSCHDじゃなくて、本家のSCHDを買っておけばいいじゃん」
ぼくも最初はそう思いました。
しかし残念ながら、日本の証券会社では本家SCHDは買うことができません。
そこで登場したのが楽天SCHDとSBI・SCHD。
これらの商品を買うことで、間接的に本家SCHDへの投資が可能となりました。
ちなみに先ほど引き合いに出したVYMというETFと、配当利回りを比較すると……
- SCHD:3.57%
- VYM:2.65%
という感じです(2024年11月現在)
それと⇩はSCHDの過去10年の値段の動き。
※出典:investing.com
配当だけでなく商品自体の値上がりも期待できることが、上記のチャートからも分かりますね。
SCHDが連動を目指す指数「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」は10年以上増配を続けている銘柄で構成されています。
(コカ・コーラやホームデポなど、日本でも聞きなじみのある銘柄もありますね)
そのためもらえる分配金も、どんどん増えていくことが期待されます。
ということでSCHDのことをざっくりまとめると……
- SCHDは分配金と値上がりで二度おいしい人気のETF
- SCHDは日本では買えない
- ただしSBI・SCHDや楽天SCHDなどを買うことで、間接的に本家SCHDへの投資ができる
SBI証券で買える他の投資信託(分配金あり)と比較してSBI・SCHDは優秀?
最初の項目では……
- SBI証券でのみ買える(仮)SBI・SCHD
- 楽天証券でのみ買える楽天SCHD
を比較しました。
こちらの項目では、SBI証券で買える別の投資信託と比較して、SBI・SCHDが優秀な商品か確認してみます。
比較するのは下記2つの投資信託
- SBI・VYM
- SBI全世界高配当
SBI・SCHD | SBI・VYM | SBI全世界高配当 | |
信託報酬 | 0.1238% | 0.1238% | 0.055% |
投資対象国 | 米国 | 日本含む全世界 | |
配当利回り(参考値) | 3.48% | 3.25%(※1) | 約4.3%(※2) |
設定日 | 2024年12月20日(予定) | 2024年1月30日 | 2024年10月1日 |
取扱い証券会社 | SBI証券(SBI・SCHDは予定) | ||
NISAでの取り扱い | 成長投資枠のみ(SBI・SCHDは予定) | ||
分配月 | 3,6,9,12月 | 2,5,8,11月 |
※1 本家VYMのの過去5年リターン
※2 設定記念セミナー 想定ポートフォリオ予想配当利回り より
確かにこの信託報酬でこの配当利回りなら、かなり優秀なファンドと言えるでしょう。
ただし懸念点として、SBI全世界高配当はスマートベータという他の2商品に比べ少しリスクの高い運用方法がとられています。
上記のようなリスクを避けたい人にとっては、SBI・SCHDの方が優秀なファンドに見えるかもしれませんね。
それとVYMという商品は日本でも購入できますので、SBI・VYMを介さなくても投資ができます。
まあ投資信託という商品だからこそのメリットもあるので、購入する価値はちゃんとあります。
といった感じで三者三様、特徴をもった商品です。
その中でSBI・SCHDが劣っていると感じる人は、おそらくかなり少数派ではないでしょうか。
楽天SCHDを売ってSBI・SCHDに乗り換えるべき?
SBI・SCHDに先んじて、2024年の9月に運用がスタートしていた楽天SCHD。
先にそちらを買っていた人の中には、
「え、SBI・SCHDの方が信託報酬安いじゃん。楽天SCHDを売って乗り換えた方がよくね?」
となっている方も多いのではないでしょうか。
参考までにぼくの考えとしては、すでに買った楽天SCHDを売ってまで、SBI・SCHD乗り換える必要はないと思っています。
主な理由……
- 楽天SCHDよりSBI・SCHDの方がコストが安くなるとは限らない
- 楽天SCHDのリターンとSBI・SCHDのリターンが同じとは限らない
- NISAで運用するつもりなら、NISA口座の移管手続きが必要
信託報酬を見ると、SBI・SCHDの方が楽天SCHDよりも安く設定されています。
ですが、実際の運用でかかってくる隠れコストによっては、楽天SCHDが逆転する可能性もあります。
(こちらの記事でオルカンを題材に、隠れコストによって実質コストが逆転することを言及しました)
またこれも今後の運用次第ではありますが、両商品の成績が本家SCHDのようになるか分かりません。
特にSBI・SCHDは楽天SCHDに追随する形での登場ですので、内容が伴った商品か気になる部分はあります。
それと楽天SCHDをNISAで運用し、SBI・SCHDもNISA枠で運用を検討しているなら、NISAの移管が必要となるでしょう。
面倒な手続きが発生するだけでなく、場合によってはつみたて投資を一時的にストップすることになるかもしれません。
SBI・SCHDはNISAで運用すべき?
前項でNISAでSBI・SCHDを運用、ということに言及したので、補足。
ぼくとしては、NISAでSBI・SCHDを運用するのは、少し分が悪いかなと考えています。
ざっくり理由を挙げると……
- 分配金を再投資するとNISA枠を消費してしまう
- 分配金コースの変更ができない
- 二重課税自動調整の対象から外れる
- 成長投資枠(1200万円分)しかSBI・SCHDの運用に使えない
楽天SCHDがNISAの成長投資枠で運用可能だったので、おそらくSBI・SCHDも同じ扱いとなるでしょう。
SBI・SCHDが自身の投資目的に合っていなかったり、NISA制度に誤解があったりすると……
「こんな予定じゃなかったのに」と投資を継続するモチベーションの低下につながりかねません。
ので、NISA枠でSBI・SCHDを買うつもりなら、自分の理想どおりの運用ができるか、しっかり確認が必要です。
どんな人にSBI・SCHDはおすすめ?
NISA制度を利用するかどうかはともかく、SBI・SCHDに魅力を感じている人は多いのではないでしょうか。
ということで、最後にSBI・SCHDがどんな人におすすめか、ざっくり説明しておきます。
SBI・SCHDと相性のいい人……
- 定期的な分配金(配当)がほしい人
- 小額で投資をしたい人
- 確定申告が面倒な人
SBI・SCHDは年4回(3,6,9,12月)、分配金が払い出されます。
「株と言えば配当!」という人にとって、個別株よりは心理的な負担なく買うことができる商品だとぼくは思います。
合わせて資産の分散を実践するとなると、たくさんの銘柄を買うだけの資産も必要となります。
それがSBI・SCHDなら投資信託ということで、100円~購入が可能。
運用する銘柄選びはプロが行ってくれる点も、投資初心者にとっては安心材料と言えるでしょう。
それと、海外株式からの配当には、2重課税というものが発生します。
海外の税金は確定申告することで取り戻すことはできるのですが、ぶっちゃけ面倒だしやりたくないですよね。
類似商品が二重課税を考慮した分の分配金を払い出していることから、SBI・SCHDも同様となるはず。
つまり確定申告不要で、分配金を最大限受け取りたい人は、SBI・SCHDを選ぶ価値はあると言えるでしょう。
【結論】SBI・SCHDは低コストが期待できる商品
ここまで高タンパクな駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
SBI・SCHDは楽天SCHDよりも低コストで運用できる可能性が高い商品です。
ただし運用が開始されてしばらく経過するまでは、どちらが本当に優れたファンドかは分かりません。
それでも、もしSBI・SCHDを検討しているなら、SBI証券の口座だけは事前に開設しておくのがいいでしょう。
それではまた!
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