SOXLで億の資産を稼げる、なんてウワサを聞くと、やっぱり気になりますよね。
- SOXLとは、半導体を投資対象にしたレバレッジ型ETF
- 日々の値動きが指数の3倍の動きとなるハイリスク・ハイリターンな商品
- SOXLはNISAで運用できない
- SOXLは長期投資向きではない
- 基本的にSOXLを買う優先度は低めだが、投資目的によっては検討の余地あり
大きな資産を短期間で手に入れたい人にとって、SOXLはとても魅力的な投資商品に感じるはず。
しかしNISAで運用するようなインデックスファンドとは異なる特徴を持っているSOXL。
そのことを理解せずに投資すると、ほぼ確実に失敗します。
ですのでSOXLを検討している人は、この記事で少しでもSOXLの知識を厚くすることをおすすめします。
いつもどおり専門用語は最小限、10分前後で読み切れる文量にしました。
記事後半ではSOXLの投資タイミングをつかむ無料ツールについても紹介しているので、ぜひ最後までご確認くださいね。
SOXLはNISAで買える?基本データと合わせて紹介
いきなりですが、この記事のタイトル回収。
SOXLという商品は、NISA口座を利用して買うことはできない
NISA枠を埋めることを優先するのであれば、SOXLの運用は必然的に優先度の低いものになるでしょう。
また仮に運用する場合、SOXLがどんな投資商品なのか、基本を押さえておくことは大前提。
ということで、SOXLの基本データについて紹介していきます。
①SOXLはレバレッジ型のETFという商品
SOXL(Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF)は、NISAで運用することが多い投資信託ではなく、ETFという商品に分類されます。
⇧面倒なので、この記事では「SOXL」で統一します。
ETFと投資信託の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
SOXLはETFの中でも、レバレッジ型という分類に位置する商品です。
レバレッジ型のETFとは……
投資対象となる指数や商品価格の変動に対して、一定の倍率で連動することを目指すETF
レバレッジとは「テコの原理」のテコのことを意味する
たとえば基準とする指数が20%上昇する場合、2倍のレバレッジ型だと40%上昇します。
ちなみにSOXLのレバレッジは連動指数(ICE(Intercontinental Exchange))の3倍。
大きなリターンを短期間で得られる可能性がある点は、レバレッジ型の大きな魅力と言えるでしょう。
ただしその倍率は下落局面において、大きく資産を目減りさせる要因ともなります。
つまり、レバレッジ型のETFは、株式に投資する他商品に比べハイリスクハイリターンな傾向があるということですね。
②配当金はいつ、どれくらいもらえるか
SOXLを買っておくと、定期的な配当金がもらえます。
(正確には「分配金」という呼称なのですが、本筋とズレるので詳細な違いの説明は割愛)
配当が発生する月……
- 3月、6月、9月、12月
配当利回り……
- 0.87%
※2024年10月現在
参考までに、米国を投資対象にした代表的なETFの1つ「VTI」の配当利回りは、1.22%でした。
このことから、SOXLの配当利回りは決して高くないことが分かります。
ですのでSOXLでリターンを得ようと思ったら……
- 安値のときに買って
- 高値の時に売る
という手段がセオリーとなります。
何に投資する商品?具体的な投資銘柄は?
SOXLが投資対象にしているのは、いわゆる「半導体」という分野です。
恥ずかしながらぼくも半導体に明るくはないのですが、ざっくり半導体がどういうものか説明すると……
- 現代の様々な産業を支える物質や技術のこと
- 今手に持っているスマホや目の前にあるPCにも利用されている
- IT産業の他、自動車産業やエネルギー産業などでも活用されている
といった感じ。
半導体は、現代でもすでに必要不可欠な要素となっていますが、今後もさらに需要が見込まれているとか。
それとSOXLは、半導体分野に関係する30銘柄を投資対象にしています。
SOXLの構成銘柄(上位10銘柄)……
- ブロードコム・リミテッド
- エヌビディア
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ
- 応用材料
- クアルコム
- ラムリサーチ
- 株式会社クラ
- 台湾のSeminductor製造
- マイクロンテクノロジー
- モノリシックパワーシステム
※2024年10月現在 公式サイト より
銘柄の入れ替えは年1回、9月に行われます。
エヌビディアなどAIブームで急成長した銘柄が含まれている点も、SOXLを魅力的にする要素の1つと言えるかもしれませんね。
SOXLで資産形成は現実的?
ところでSOXLという商品が気になっている人の多くが……
「SOXL買ったら短期で資産が5倍になった」
「SOXLで億り人になった」
みたいな口コミの真相を知りたいのではないでしょうか。
そこでSOXLの運用で資産形成をするのが現実的な話なのか、ぼくの主観でお伝えいたします。
SOXLで資産形成をするのは……
- 不可能ではないが、SOXLだけで資産形成は非現実的
SOXLは短期で基準価格が5倍10倍になった実績を持ちます(詳しくはこちらの項目で)
ですので投資元本次第では億り人も目指せるポテンシャルは確かにあるでしょう。
しかし普通のサラリーマンが、SOXLだけで資産を増やすのは現実的とは思いません。
ぼくが上記のように感じる要因は、主に下記の2点……
- SOXLなどレバレッジ型ETFの設計上、長期で運用するのに向かない
- 優先して利用すべき制度であるNISA(やiDeCo)で運用できない
SOXLなどのレバレッジ型のETFは、中長期で〇倍を目指すのではなく、短期で〇倍を目指すような設計となっています。
ですので安く買って高く売る短期投資が基本となるのですが、その適切な取引タイミングを見極めるのが容易ではありません。
それと最初の項目で解説したとおり、SOXLは株式投資による利益の税金が免除されるNISA制度を利用できません。
NISAと合わせて、掛け金分所得税が控除される「iDeCo」についても、SOXLへの投資は不可となっています。
普通のサラリーマンであれば、これらの制度は優先して活用したいところ。
NISAやiDeCoを後回しにして、SOXLで資産運用するのは、安定した資産形成とはかけ離れた選択かなと思います。
大前提として、レバレッジ型商品は投資上級者向け。
手を出さない、もしくは小額で投資するのが無難です。
ただし取引するタイミングによっては、短期間で大きなリターンを得られるポテンシャルがあることもSOXLの事実。
- 資産形成の目標設定が高めな人
- リスク許容度が高めな人
こういった方々については、SOXLが資産形成の軸になる可能性がある……かもしれません。
SOXLを買うことのメリット
そういえばSOXLという商品の魅力について、しっかり触れておりませんでした。
というわけで、SOXLを買うことのメリットについて、いくつか紹介いたします。
- 短期間で資産を大きく増やせる可能性がある
- 1口から買える
- 半導体の成長にがっつり乗っかれる
短期間で資産を大きく増やせる可能性がある
SOXLはレバレッジ型のETFという特徴から、日々の値動きが大きいです。
そのため市場が右肩上がりのタイミングでは、短期間で価格が大きく上昇することも珍しくありません。
※出典:Googleファイナンス
2023年の10月ごろ、SOXLの評価額は15ドルほどでした。
それが2024年の7月には68ドルまで上昇。コストや税金のことを考慮しなければ約4.5倍の成長です。
ちなみに2020年に起きたコロナショック後には20倍近く評価額が跳ね上がったタイミングもありました。
こういった値動きの波に上手く乗ることができれば、短期間で資産を大きく増やせる可能性があります。
1口から買える
SOXLはETFという商品で、日本の個別株と異なり1口から購入が可能です。
- 日本の個別株は、単元株(100株単位)で買うのが基本
- ETFや米国株は、1口(1株)で買うことができる
※証券会社によっては、日本の個別株も1株から購入できる場合もあり
小額でもSOXLを買うことができるので……
- リターンは魅力的だけど、大金を投じるのは怖い
- どんな値動きをするのか、実践を通じて確認したい
このような方々にとっても、手が出しやすい商品と言えるでしょう。
ついでに個別の株式と同じくリアルタイムの価格で取引できる点も、ETFならではの特徴ですね。
ただし投資信託のように金額を指定して購入することはできません。
半導体の成長にがっつり乗っかれる
SOXLが投資対象にしているのは、すべて半導体に関係する銘柄です。
そのため半導体の成長のみに集中投資することができます。
それとSOXLの投資対象地域はアメリカ。
米国の半導体分野に関する情報が取得しやすい人にとっては、SOXLへのベストな投資タイミングがつかみやすいかもしれません。
SOXLを買う上で理解しておくべき5つのポイント
当然ですが、SOXLを買うことはリスクのある株式投資を行うということ。
注意すべき点を理解しておかないと、「こんなハズでは……」といった大失敗につながりかねません。
そこで、SOXLを買う前に必ず押さえておくべきポイントについて、解説いたします。
- ボラティリティが高い
- 下落した価値がもとに戻りづらい
- コストが高い
- 配当金にはあまり期待できない
- 単純に指数の3倍の値動きをするわけではない
ボラティリティが高い
SOXLは指数の3倍の値動きをする商品という性質上、必然的にボラティリティが高くなります。
ボラティリティとは……
- 価格の変動率のこと
- ボラティリティが高いと利益獲得のチャンスが大きい一方、暴落による損失も大きくなりやすい
そのため迂闊にSOXLへ資産を投じすぎてしまうと……
「え、たった1週間でこんなに価値下がるの……?」
と、思いがけない事態に陥るかもしれません。
寝ている間にSOXLに投資した資産価値が半分になっているかもしれない……
こういった不安を抱きそうなら、SOXLの投資は避けるor小額で投資するのがいいでしょう。
下落した価値がもとに戻りづらい
SOXLなどのレバレッジ型ETFは、下落局面に弱い性質を持っています。
上のイメージは、指数の動き(青)と、その指数に対し2倍のレバレッジが効いたETF(オレンジ)との比較。
1日目に指数が20%下落すると、レバレッジ型ETFは2倍の40%下落します。
そして2日目、指数が初日の価格に戻るために必要な上昇率は25%。
しかしレバレッジ型ETFについては、倍の50%値上がりしても初日の価格には戻りません。
- 指数:80(円)×125(%)=100
- レバ:60(円)×150(%)=90
レバレッジ型ETFは50%価格が上昇しても90円までしか値段が戻らない
上記のことから、3倍のレバレッジ型ETFであるSOXLは、下落相場の沼にはまると脱出が難しくなります。
コストが高い
SOXLの保有中に発生する経費は、レバレッジ型ではないETFと比較して高めに設定されています。
- SOXLの経費率:0.76%
- VTIの経費率:0.03%
- VOOの経費率:0.03%
※2024年10月現在のデータ
一般的にETFはインデックスファンドなどの投資信託よりも、コストが低いと言われています。
しかしSOXLに関しては、ETF=コスト安という常識が当てはまらないことは、運用するうえで考慮すべき事項です。
配当金にはあまり期待できない
ETFからは配当金が払い出されますが、SOXLの配当金はそれほどたくさんもらえません。
- SOXLの配当利回り:0.89%
- VTIの配当利回り:1.30%
- VOOの経費率:1.26%
※2024年10月現在の予想値データ
レバレッジ型ETFは短期売買で利益を獲得することを目的にした商品。
そのため定期的なインカムゲイン(配当金による収入)は、低めに設定されているようです。
【おまけ】SOXLの運用を成功させるワンポイント
直前でおまけというワードが飛び出したので、おまけの項目を思いつきました。
再三説明してきましたとおり、SOXLは……
- 短期売買で利益を得ることを目的とした商品
- 安いときに買って、高いときに売る
- このタイミングをつかむことが重要
となります。
さらにいうと、今回紹介しなかったような下記の要素についても、レバレッジ型商品を運用するのに理解しておくべきとされています。
- 先物取引とは
- 限月とは
- ロールオーバーとは
- 信用取引保証金率(の引上げ)とは
- 原指標とレバレッジ指標とは
etc……
ご安心を。FP2級取得者でありながら、ぼくも半分以上しっかり理解できていません。
「オレもよく分からんっ! しかしっ、それでもSOXLを買って大儲けしたい!」
というのであれば、最低限、SOXLを買うタイミングと売るタイミングは間違えないようにしたいもの。
しかし我々は株式投資の素人。適切な投資タイミングをつかむなんて、そう易々とできるものではありません。
そこでおすすめなのが、moomoo証券の投資アプリ。
日本株や米国株、SOXLを含むETFや指標の動きまでチェックできます。
他の投資家の動向もつかみやすく、使いこなせばベストな取引タイミングを見極めるのに必須のツールとなるでしょう。
組み入れ銘柄や配当利回り、経費率などの最新情報も簡単にゲットできます。
何よりすごいのが、プロの投資家も利用するこれらのツールが、すべて無料で利用できてしまう点。
別の証券会社でNISAを開いている場合も、投資ツール目的でmoomoo証券の口座開設をするのもいいでしょう。
SOXLのような難易度の高いレバレッジ型ETFなどを検討している人は、ぜひ活用してみてくださいね。
結論|SOXLはNISAで運用できず長期投資にも不向きだが、人によっては検討の余地がある商品
ここまで息もつかせぬ駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に、今回の重要ポイントをプレイバック。
- SOXLとは、半導体を投資対象にしたレバレッジ型ETF
- 日々の値動きが指数の3倍の動きとなるハイリスク・ハイリターンな商品
- SOXLはNISAで運用できない
- SOXLは長期投資向きではない
- 基本的にSOXLを買う優先度は低めだが、投資目的によっては検討の余地あり
億り人を何人も生み出してきたSOXLに興味を持たれていた人は多いかと思います。
しかし冒頭にも説明したとおり、SOXLの良い面ばかりみて投資をすると、大きな失敗につながりかねません。
- 自分にとって、SOXLへの投資は本当に必要なのか?
- NISAやiDeCoを後回しにしてまで買うべき商品なのか?
- 資産が減るかもしれない……そんな心配を昼夜問わず抱えることにならないか?
こういった疑問点を払拭してから、SOXLへの投資を行うことを、ぼくはおすすめします。
それではまた!
証券口座は投資をするためだけのものではありません。
- 投資に関係する情報を収集する
- 優良な投資先を探す
こういった使い方もできるんです。
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そんな方向けに、moomoo証券の良い点・悪い点、正直な評判などをこちらの記事にまとめました。
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